P5 NEWS      SHONAN TAX OFFICE NO.254   
 




 

 
平成22年11月1日
 
質疑応答事例
 

 1ヶ月の間に季節が一変して、暖房が恋しくなってしまいました。

 国税庁は、先月(10月)25日に、平成21事務年度(平成21年7月〜平成22年6月)の法人税、源泉所得税の申告の事績を公表しました。

 平成21年度の法人税の税収は、8.7兆円(所得金額34兆円)で、当初の予算段階での法人税収は10兆円でしたので、思った程には少なくならなかったのかもしてませんが、3年連続の減少!!

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 法人税の申告件数は、280万社で、3百万社を切っています。把握されている平成22年6月30日現在の法人数は、3百万法人で、21年度より若干減少しています。税額の減少の要因は、大法人を中心とした法人所得の悪化、申告件数の減少の要因には休業する法人の増加があると見込まれています。

 また、黒字申告割合は過去最低であった前事務年度の29%をさらに下回り、25%という結果でした。今まで7割が赤字法人でしたが、7.5割に増加しましたので、4社に1社しか黒字にならなかったことになります。

 源泉所得税額は12兆円で、前年度に比べ10%以上減少しています。これは、給与所得の税額が9千億円も減少しましたので10%近く減少したこと、また配当所得に至っては、3割減少(7千億円)したことによるものです。

  連結納税は、連結法人数が対前年度比102.3%の連結法人7,700法人(930法人グループ)で、申告件数(841件)及び申告所得金額(2兆円)と若干増加していますが、黒字申告割合は32.1%(前年34.1%)と減少しています。

 













 

11月の税務・総務予定
 

(税務)
所得税の予定納税額の減額申請        15日まで
*所得税の予定納税額の納付(第2期分)  30日まで
*個人事業税の納付(第2期分)        通常月末
*税を考える週間 11日〜17日

(総務他)
労働保険料の延納(3回分割)
 (第2期分割納付分)1日まで

 

 

なお、平成21年度の法人税のe-Tax(電子申告)利用状況は130万件で、前年から30%近く増加しました。事務所もほとんど電子申告になりました。

 ☆ 国税庁は先月(10月)22日、納税者からの照会に対して回答した事例等のうちから、その一部を税目別に掲載している『質疑応答事例』を更新しました。その中から、新しく取り上げられた事例を今月は紹介します(一部要約しています)。

 まず最初に所得税から・・「“ふるさと寄附金”を支出した者が地方公共団体から謝礼を受けた場合の課税関係」についてです。何となくありそうな事例で、課税など

をとやかく言うなという話ですが。

 

Q.A市では、市外に在住する者から1万円以上の寄附(いわゆるふるさと寄附金)を受けた場合、この寄附に対する謝礼として、市の特産品(5,000円程度)を送ることとしています。この場合の寄附者には、課税関係は生じますか。
 

A.寄附者が特産品を受けた場合の経済的利益は、一時所得に該当します。

 ふるさと寄附金の謝礼として受ける特産品に係る経済的利益については、所得税法に規定する非課税所得のいずれにも該当しません。また、地方公共団体は法人とされていますので、法人からの贈与により取得するものとなり、この特産品に係る経済的利益は一時所得に該当します。一時所得の計算では、特別控除が50万円有りますので、50万円を超えるほどの特産品が送られてくることは考えられませんので、その年に他に一時所得となるものが無ければ、課税されません。しかし確定申告する場合には、申告書に記載する必要があります。

 

 次は、財産評価です。その中で広大地について、かなり多くの新しい事例が掲載されています。これは、広大地評価の減額割合が大きいことから、申告後に税務署と争いとなることも少なくないため、実務的に問題になっているところです。これが通達

で決められていることも問題ですが・・

 

Q.戸建住宅が連たんする住宅街に存するファミリーレストランの敷地は広大地に該当するのでしょうか。
 
 

 

A.ファミリーレストラン等の敷地の地積が、その地域の標準的な戸建住宅としての宅地の地積に比して著しく広大である場合には、広大地の評価における他の要件を満たせば、広大地に該当します。

 なお、いわゆる郊外路線商業地域(都市の郊外の幹線道路沿いにおいて、ロードサイド型の店舗等が連たんしているような地域)に存する、その地域の標準的な宅地の地積と同規模のファミリーレストラン等の敷地については、著しく広大とはいえない

ため広大地に該当しません。

 

Q.広大地の評価において、「中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているもの」(マンション適地)とは具体的にどのようなものをいうのでしょうか。
 

 

A.評価対象地が、その宅地の存する地域の標準的使用の状況を参考にいして判断します。

 しかし、戸建住宅と中高層の集合住宅等が混在する地域(指定容積率が200%以下の地域)にある場合には、最有効使用の判定が困難な場合もあることから、次のような場合にはマンション適地に該当し、それ以外は広大地として評価できます。

 @ その地域における用途地域・建ぺい率・容積率や地方公共団体の開発規制等が厳しくなく、交通、教育、医療等の公的施設や商業地への接近性(社会的・経済的・行政的見地)から判断して中高層の集合住宅等の敷地用地に適していると認められる場合

 A その地域に現に中高層の集合住宅等が建てられており、また、現在も建築工事中のものが多数ある場合、つまり、中高層の集合住宅等の敷地としての利用に地域が移行しつつある状態で、しかもその移行の程度が相当進んでいる場合

 一方、指定容積率が300%以上の地域内にある場合には、戸建住宅の敷地用地として利用するよりも中高層の集合住宅等の敷地用地として利用する方が最有効使用と判断される場合が多いことから、原則としてマンション適地に該当します。

 地域によっては、指定容積率が300%以上でありながら、戸建住宅が多く存在する地域もありますが、このような地域は指定容積率を十分に活用しておらず、@将来的にその戸建住宅を取り壊したとすれば、中高層の集合住宅等が建築されるものと認められる地域か、あるいは、A例えば道路の幅員(参考)などの何らかの事情により指定容積率を活用することができない地域であると考えられます。したがって、Aのような例外的な場合を除き、評価対象地が存する地域の指定容積率が300%以上である場合には、マンション適地となります。

 

 

P5コーナー
(株)P5では、経営計画策定、保険・不動産等の資産運用、相続対策業務、パソコンの購入及び指導、貴社のホームページの作成・ドメインの取得、計算書類の公告のお手伝いをしております。
 
税理士制度−10
 

 前回は、通知弁護士の話をしました。続きを。

 

 さて、昭和26年に成立した税理士法は、その後幾多の改正を経験することになります。まず、昭和31年の改正です。このときの主な改正は、

@税理士が所得税、法人税等の申告書を作成した場合に税理士が申告書作成に関して計算し、又は整理した事項を記載した書面を添付する制度の創設、

A税務職員で一定の年数の実務経験を有する者に対して、今後5年間に限って実施する特別な税理士試験制度の創設

B税理士会への強制加入制の導入に伴い税理士会及び日本税理士会連合会を従来の民法上の公益法人から税理士法に基ずく特別法人へ組織替え、などです。

 @の書面添付の制度は、税理士の申告書の作成に至る関与の度合いも色々あるため、税理士が関与した範囲を明確にして、その責任を明らかにすると共に申告書作成に関して計算し、整理し、又は相談に応じた事項を記載した書面を申告書に添付することができ、更正・決定に際してその税理士に意見を述べる機会を与えるとしたものです。

 この制度は、その後、昭和55年改正で審査事項の書面添付制度(税理士法33条の2A)、平成13年改正で意見聴取制度(同法35条)へと改正されています。

 A特別税理士試験制度については、かなり国会でも審議されています。答弁に立った大蔵大臣は、「実務に精通者(税務署職員)について、例えば租税とか会計学について一つ総合的にどういうふうな力があるか試験をしてみようというふうにして資格を与えていこう」としていました(昭和31年5月10日衆議院大蔵委員会)。その後、現行法では、その試験もなくなり部内経験10年以上の職員については通信研修などで行われています。

 なお、公認会計士たる税理士については、「本来の公認会計士の職務を主といたしまして、ごくまれに税理士の仕事を行っている者がございます。かような者につきましては税理士会に加入しない場合におきましても、国税局長にその依頼者の住所、氏名称号等を通知することによりまして、依頼された事件に限って税理士業務を行うことができる」ことにしたとされています(同年3月27日参議院大蔵委員会において衆議院修正案の趣旨説明)

 

このあとは、また次回。

 
 

 省略

 


編集後記

 今年は、早々にインフルエンザの予防注射をしました。予防注射で本当に風邪を引いた状態になってしまいました。年を取ったり、身体が弱っているとなるそうです。皆さんもお気を付けください。今回は、6日(土)になってやっと書き上げました。またまた遅くなってしまいました。
      

                       編集発行 株式会社プランニングファイブ