P5 NEWS     

SHONAN TAX OFFICE NO.350  
 




 

 
平成30年12月1日
 
相続法改正の施行日
 

 今年も、もう年末。平成、最後の年の12月です。来年の4月30日をもって平成も終わります。元号は政令で変わることになっていますが、何になるのでしょうか。

 

 気象庁では今年の冬(12月〜2月)の天候の見通しを発表しています(11月21日発表)。

 

 それによりますと、向こう3か月の気温は、西日本と沖縄・奄美で高く、東日本で平年並か高い予想がでています。また、降雪量は、西日本日本海側で少なく、東日本日本海側で平年並か少ない模様です。雪不足になりそうで、お正月のスキー場は大丈夫でしょうか。また沖縄・奄美の降水量は、平年並か多いとの予想が出ています。

 

 11月22日に世界気象機関は温室効果ガス年報第14号を公表しました。それによりますと主要な温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素)の濃度は引き続き増加を続けており、2017年の世界平均濃度はいずれも観測史上最高を更新したとのことです。

 

 2017年の二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)の現場観測ネットワークによる地上での世界平均濃度は、それぞれ、405ppm、1859ppb、329ppbとなり、解析開始以来の最高値となっています。これらの値は、工業化(1750年)以前との比較では、それぞれ146%、257%、122%で、メタンの増加が大きくなっています。なお、米国海洋大気庁(NOAA)年次温室効果ガス指標(AGGI)によりますと、1990年から2017年までに、長寿命の温室効果ガス(LLGHG)による放射強制力は41%増加しており、二酸化炭素がそのうちの約82%を占めているそうです。興味のある方は気象庁が和訳を出していますのでそちらをお読みください。

 

 そういえば、この通信で以前お伝えしましたが、今年は8月に台風の発生が多く、各地に被害を出しました。その後の台風の発生件数を見ますと、まだ1か月有りますが年間を通して台風の発生が極端に多かった年ではなさそうです。

 

 台風の発生件数

1


4
5
6
7
8
9
10
11
12

 
30 1 1 1 0 0 4 5 9 4 1 3   29
29 0 0 0 1 0 1 8 5 4 3 3 2 27
28 0 0 0 0 0 0 4 7 7 4 3 1 26
27 1 1 2 1 2 2 3 4 5 4 1 1 27
26 2 1 0 2 0 2 5 1 5 2 1 2  

12月の税務・総務予定

(税務)
*給与所得の年末調整
(原則)本年最後の給与の支払日前日まで
*固定資産税・都市計画税(第3期分) の納付期限    通常月末
  (東京都 30年12月27日、横浜市・茅ヶ崎市 31年1月4日)


(総務他)
*年初の通信(年賀状の代わり)の発送
*年末ボーナスの支給
 

 
 

 先月(21日)、相続法の改正(民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律・法務局における遺言書の保管等に関する法律)について政令(316号)で施行期日が明らかになりました。

 

 この法律は、以前お知らせしたように平成30年7月6日に国会で可決・成立し、同年の7月13日に公布されたものです。

 

 そして、実際にこの法律が動き出す施行日は、原則として公布の日から1年を超えない日からとされていますが、その内容によって早めにスタートするものや2年を超えない範囲でで施行するものなどがあり、気を付けないといけません。この日が明らかにされましたので、追って説明します。

 

1 平成31(2019)年1月13日から

 

* 自筆証書遺言の方式の緩和

 

 自筆証書遺言は、従来全部自筆で書かなければいけなかったのですが、財産目録など一部自筆でない自筆証書遺言を作成できるようになります。気を付けて頂きたいのは、自書でない部分があるページにも,その全てに遺言者の署名だけでなく,押印も必ず要求されていることです。

 

 この制度は、来年1月13日からすぐにできるようになります。ただし、法務局で保管制度は、後になりますので従来通り保管しておかなければなりません。

 

2 平成31(2019)年7月1日から

 

 これは、前記1と後の3、4以外のもので、次のようなものです。

 

* 共同相続された預貯金債権は、遺産分割の対象になりましたが、生活費や緊急の出費のために払戻をする必要があるときに、遺産分割が終了するまでの間でも、預貯金債権のうち一定額については、単独で払戻しをすることができます。

 

* 遺留分減殺請求においては、不動産など目的物の引渡し請求がされていたものが、これからは侵害額を金銭で解決することとされ、不動産に及ぶことがなくなりましたので、遺言の実行がし易くなります。遺言執行者は、そのためだけではないのですが、不動産の登記は早めにしていておいたほうが無難です。

 

* 特別の寄与の制度が新たに設けられました。具体的には、被相続人の親族で相続人以外の者が、被相続人の療養看護等を無償でしたことにより被相続人の財産の維持又は増加に特別の寄与をした場合には、相続の開始後、相続人に対して金銭の支払いを請求することができます。理解できるのですが、この寄与の請求が増えることになれば、遺産分割が長期化する恐れがあります。

 

* 家事事件手続法の関係の改正で、預貯金を多く下ろす必要があるときには前記の単独払戻ができませんので、遺産分割前の保全処分の要件が緩和されます。

 

 また新設する特別の寄与の制度に関する手続規定を設けられます。

 

 特別の寄与に関する審判が増えるのではないでしょうか。この審判で、当事者に対して、金銭の支払いを命ずることができるとされています。

 

3 平成31(2020)年4月1日から

 

* 配偶者居住権及び配偶者短期居住権が認められます。

 

 生存配偶者(内縁関係は認められません)の居住権保護のため、被相続人が死亡した場合、配偶者に住み慣れた遺産である居住不動産に無償で継続して住み続ける権利である配偶者居住権が、再来年の4月から認められます。

 

 居住建物に今まで通り住むことができる権利ですから、これを第三者にも明らかにするため、建物に登記することになります。被相続人とその配偶者が借家に住んでいたら無理です。

 

 居住用建物が、被相続人以外の人と共有になっている場合も、原則認められません。ただし夫婦の共有(例えば、夫1/2、妻1/2)になっている場合は、実質的に他の人に不利益を与えませんので、例外的に配偶者居住権の成立が認められます(民月73.10.7)。

 

 この配偶者居住権の存続期間は原則として終身とされていますが、期限を定めることもできます。ただしこの期限を延長や更新をすることはできません。

 

4 平成32(2021)年7月10日から

 

* 法務局において自筆証書遺言に係る遺言書を保管する制度が2年以上先になりますがスタートします。7月1日ではなく、7月10日の2年ギリギリのスタートです。関係ないでしょうが、源泉徴収の納期の特例期日と同じです。どんな意味があるのでしょうか。マーそれだけ大変なのでしょう。

 

 保管された遺言書では、今までの自筆証書遺言の場合には家庭裁判所の検認が必要でしたが、これが必要なくなります。

 

 最近は、この検認手続をするには予約するなど時間が掛かるようです。

 

 

 遺言書の検認件数

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

省略

 

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日産ゴーン元会長
 

日産自動車のゴーン会長の逮捕報道は、トップ企業を舞台にした事件であることから、日本中を震撼させました。

 

 当初の報道は、役員報酬の有価証券報告書の虚偽記載というもので、すぐ考えたのは脱税は、どうなっているのかなということでした。

 

 その後の報道で唖然とするような内容が色々出てきましたが、それらが事実ならば、桁は違いますが、まるで一昔前の中小企業の経営者が何でもかんでも個人のものをつけ替えるのとよく似た話で、今ではそんな経営者は中小企業でも殆どいないと思います。

 

 それはそれとして、本来の年間報酬を半分計上せずに8年間、毎年10億円ずつ少なくしていたとしますと、通常の所得税で計算すると、30億円ほど税金を少なくしたことになります(納税通信3550)。

 

 ただし、最初に考えたのは、ゴーンさんは居住者なのか非居住者なのかと言うことです。居住者になりますと、原則として全世界の所得に対して課税されますが、非居住者ですと日本国内から発生した所得(国内源泉所得)のみの課税になります。

 

 ゴーンさんは、日産自動車の取締役会長兼最高経営責任者(2018.3期有価証券報告書37頁の経歴から)ですが、ブラジルを初め多重国籍をもつとも言われていて、住居もパリ、ニューヨークを初め6軒もあるということですので、税金を考えて日本の居住者(非永住者)にはなっていないのではないかと思われます。

 

 非居住者でも、役員報酬は、法人所在地国で課税されます。非居住者の役員報酬については、平成25年以降は、復興特別所得税を含め20.42%の源泉徴収をしなくてはなりません。

 

 大会社ではあまり考えられないのですが、一定の住居の補助を含め経済的利益についても、源泉徴収の対象になります。これから明らかになると思われます。

 

省略

 

編集後記

 今年の最終号です。来年1月の新年号は年賀状代わりですので早めに書き上げなければなりません。今回も写真で1年間振り返るかなと。1年間撮った写真から選ぶのは結構大変ですが、楽しみながらやります。

 今年もこの通信にお付き合い頂き有り難うございました。来年もどうぞ宜しくお願い致します。皆様にとりまして、来年が良い年になりますように。 

   編集発行 株式会社プランニングファイブ