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SHONAN TAX OFFICE NO.328  
 




 

平成29年2月1日
 
経営力向上計画
 

 寒い日が続いています。2月になると、個人の所得税・消費税の確定申告シーズンの本番が始まります。今年は、マイナンバーの資料集めも必要になり、その分余計に時間がかかりそうです。

 今、インフルエンザが猛威を奮い、神奈川県でもインフルエンザの警報レベルが続いています 。

 感染している人の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込んだり、ウイルスが付着した手で目、鼻、口を触れたりすると感染します。

 このため、外出後の手洗い・うがいを十分に行い、急な発熱や咳、くしゃみなどインフルエンザが疑われる症状がある場合、周囲に感染が広がらないようにマスクを着用して下さい。

 平成28年の改正で創設された生産性向上のための固定資産税の軽減措置が、今年の改正で拡充される予定になっています。

 この種の特例の多くは、赤字法人には、適用の余地はないのですが、この特例は、固定資産税の軽減が図られるため赤字法人にも利用できます。

 28年の創設時では、中小事業者等が中小企業等経営強化法における設備投資・人材育成・経営手法改善等に取り組む「経営力向上計画」を策定し、事業所管大臣の認定を受けた場合、認定計画に基づき取得した1台160万円以上などの新品の機械装置を取得しますと、課税年度から3年度分の固定資産税の課税標準額を2分の1となるものです。中小企業庁によりますとこの「経営力向上計画」(たった申請書は2枚と宣伝しています。)の認定件数が、昨年末で1万件を超えたそうです。

 機械装置では、殆ど関係ないと思われるかも知れませんが、今年の改正で、対象設備に一定の器具備品や建物附属設備が追加される予定です。ただし機械装置以外ですと、東京・大阪・名古屋などでは、商店、飲食店や介護事業者など業種が限定されますが、新規購入予定の方は、相談されると良いと思います。

 

   2017第3週 インフルエンザの流行分布(国立感染症研究所ホームページ )

 


2月の税務・総務予定
 

(税務)
*固定資産税(都市計画税)の4期分の納付  通常月末(2/28)
*税理士記念日      23日(木)
*贈与税の申告・納付      2月1日(水)〜3月15日(水)
*所得税の申告・納付      2月16日(木)〜3月15日(水)
*個人消費税の申告・納付           3月31日(金)まで
 

(総務他)
*平成29年度経営計画の策定
*4月新卒者入社前研修
*人事評価
 

 
 確定申告特集
 

今年も所得税・消費税の誤りやすい事例集(平成28年12月・国税庁)を参考に、一部簡略化して紹介します(●は今年新規)。

 

〇 遺族年金を公的年金等に係る雑所得として申告している。
 
 

(正)死亡した人の勤務に基づいて支給される遺族年金は、所得税では非課税となります。このため扶養親族等の判定にも入りません。

 

● 複数の源泉徴収選択口座で上場株式等の配当等を受領している場合に、申告するときは、その全てを申告する必要があり、一部のみ選んで申告することはできないと思っている。
 

(正)複数の源泉徴収選択口座内に配当等を有する場合には、それぞれの源泉徴収選択口座ごとに申告不要制度の適用を選択することができます。

 なお、源泉徴収選択口座以外のもについては、1回に支払を受けるべき利子等・配

当等ごとに選択することができます。

 

〇 アパート・貸家などの事業用不動産を相続した場合、その不動産に係る固定資産税は、1月1日時点の所有者に対して課されるため、全額が被相続人の必要経費になると考えている。
 

(正)被相続人の所得計算における固定資産税の取扱いは、次のようになっています。

 * 相続開始前に納税通知があった場合

 次のいずれかの金額を必要経費に算入します。

 @ 全額

 A 納期到来分

 B 納付済分

 *相続開始後に納税通知があった場合

 相続開始時においては、納付すべきことが具体的に確定していないため、被相続人の必要経費(租税公課など)に算入できません。

 この納税通知とは、4月頃に送られてくる納税通知書で判断して下さい。

 

〇 事業所得が赤字で不動産所得が事業として行われていないため、青色申告特別控除を10万円としている。
 

(正)不動産所得が事業として行われていなくても、事業所得がある場合には、65万円の青色申告特別控除の要件を満たしていれば、まず不動産所得から65万円の青色申告特別控除を受けることができます。

 

〇 乳幼児がアトピー性皮膚炎のため、医師の指示により自宅でアトピー用の粉ミルクや自然食品による食事療法を行っている場合、その購入費用を医療費控除の対象としている。
 
 

(正)自宅で行う食事療法のためのアトピー用の粉ミルクや自然食品の購入費用は、医療費控除の適用になる治療又診療に必要な医薬品の購入の対価には当たりませんので医療費控除の対象にはなりません。

 また、アトピー性皮膚炎に効果があると医師から勧められた防ダニ寝具の購入費用も医療費控除の対象とはなりません。

 医師等による診療又は治療を受けるため直接必要な医療用器具等の購入費用で通常必要なものについては、医療費控除の対象となる医療費の範囲に含まれるものとして取り扱われていますが、ここにいう医療用器具等とは、それ自体が医療用器具等である場合に限られると解されています。

 したがって、「防ダニ寝具」はそれ自体が医療用器具等に当たらないことから、その購入費用は、医療費控除の対象とはなりません。

 

〇 がんと宣告されたことを保険事故として支給される保険金を、医療費控除に係る補?金の額として医療費から差し引いている。
 
 

(正)医療費の補填を目的とする保険金に当たらないため、医療費から差し引く必要はありません。

 保険金等に当たらないものとしては、

 @ 死亡したこと、重度障害の状態となったこと、療養のため労務に服することができなくなったことなどに基因して支払を受ける保険金、損害賠償金等

 A 社会保険又は共済に関する法律の規定により支給を受ける傷病手当金又は出産手当金など

 B 使用者その他の者から支払を受ける見舞金等

 があげられています(所基通73−9)。

 ただし、出産育児一時金や高額療養費などは、保険等により補填される金額となりますので、控除します。

 

〇 高額医療・高額介護合算制度における高額介護合算療養費等により補填される金額があるのに、控除していない。
 
 

(正)高額介護合算療養費等の支給を受ける場合には、その額が確定した日(原則として7月31日)の属する年分の医療費から差し引きます。

 高額介護合算療養費とは、世帯内の同一の医療保険の加入者の方について、毎年8月から1年間にかかった医療保険と介護保険の自己負担額(高額療養費及び高額介護(予防)サービス費の支給を受けることができる場合には、その額を除きます。)を合計し、一定の基準額を超えた場合に、その

超えた金額を支給するものです。

 

〇 平成23年分以後に於いて、年少扶養親族(扶養親族のうち、16歳未満の者をいう。)については、扶養控除が廃止されていますが、障害者控除も廃止されたと思っている。
 

(正)障害者控除の規定は、「居住者の控除対象配偶者又は、扶養親族が障害者である場合」とされていますので、16歳未満の扶養親族(扶養控除の適用のある控除対象配偶者には該当しない。)が、障害者(特別障害者でも同様です。)に該当する場合には、障害者控除(27万円・40万円・75万円)の適用をうけることができます。

 

SHONAN TAX OFFICE
(http://www.shonantax.jp/)

 

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(株)P5では、経営計画策定、保険・不動産等の資産運用、相続対策業務、パソコンの購入及び指導、貴社のホームページの作成・ドメインの取得、計算書類の公告のお手伝いをしております。
 
セルフメディケーション税制
 

 今年1月からスタートしたセルフメディケーション税制は、平成28年に創設され今年から適用されています。これは、医療費を圧縮するため、簡単な病気?については病院に行かずに治して貰おうとして導入されたものです(措置法41の172)。

 この制度は、適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を進めるため、

 @ 特定健康診査(いわゆるメタボ健診)

 A 予防接種

 B 定期健康診断(事業主健診)

 C 健康診査

 D がん検診

 のいずれかを受けている者が、平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に、いわゆるスイッチOTC(over-the-counter)医薬品を年間1.2万円を超えて支払った場合には、その購入費用(年間10万円を限度)のうち1.2万円を超える額(その金額が88,000円を超える場合には、88,000円)が所得控除できます。

 この対象医薬品は約1,500品目もあるそうで、厚生労働省のホームページで確認できますが、この医薬品の外箱に小さなシールが貼られていますし、領収書にこの医薬品の金額にも印が付いています。

 

 

 

1月4日に風邪薬を買った時の薬の箱に貼ってあった シールとレシート(領収書)

 

 年間、医療費の支払いが20万円以上ない方には、適用があるかも知れませんので、取っておくと良いと思います。控除額が少ないように感じるかも知れませんが、所得の多い人には有利です。

 前述のように、この適用を受けるためには、特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診などを受けていることが必要になります。申告対象となる1年間にいずれか一つを受けていればよいのですが、その証明書類が必要となります。 

 証明書類とは、健診等の領収書または結果通知表のことで、氏名、健診等を受けた年、保険者や医療機関の名称などが記載されている必要があります。領収書の場合は原本の提出が必要ですが、結果通知表についてはコピーでも良いようです。なお、健診結果の部分は不要であるため、個人情報保護のため該当箇所は黒塗りや切り取って下さい。

 
 

編集後記 今年も確定申告のシーズンになりました。申告を依頼される方は、早めにお知らせ下さい。文中でも書きましたが、マイナンバーと本人確認書類(運転免許証など)のコピーをお願いします。風邪・インフルエンザに気を付けてください。
              編集発行 株式会社プランニングファイブ