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SHONAN TAX OFFICE NO.314  
 




 

 
平成27年12月1日
 
来年からの改正
 

 もう今年も師走。歳をとるほど時の流れは早く感じるようですが、本当でしょうか。

 

 ジャネーの法則(フランスの哲学者・ポール・ジャネ発案)では、主観的に記憶される年月の長さは年少者にはより長く、年長者にはより短く評価されるという現象を心理学的に解明しているとされています。

 

 この法則では、生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する(年齢に反比例する)、というもので、例えば、50歳の人間にとって1年の長さは人生の50分の1ほどであるが、5歳の人間にとっては5分の1に相当すると。すなわち、50歳の人間にとっての10年間は5歳の人間にとっての1年間に当たり、5歳の人間の1日が50歳の人間の10日に当たるというものです。

 

 科学的に証明できるのかどうかは知りませんが、時の流れの心理的な早さを、歳をとって感じるのは、現在を基準にして忘れてしまった遠い過去と比べるべくもなく、人生の残りを考えた感傷も入っているのかも知れません。

 

 総務省の統計局が公表している平成25年住宅・土地統計調査」をデータ化して「世帯年間収入ーマップが公表されています。

 下図の赤い部分が、年収300万円未満の世帯が50%を超える地域です。

 

世帯年間収入マップ参照

 

60%を超える地域は、北海道の夕張近辺、和歌山、高知で、室戸は70%です。九州も南部が多くなっています。

 
 このマップから・・  (単位%)
世帯年収 茅ヶ崎市 鎌倉市 港区
300万円未満   28   25  18
〜500万円   28   27  19
〜700万円   19   17  15
〜1,000万円   15   16  19
1,000万円超   8   13  26
端数処理の関係で100%にはなっていません。
 

 逆に年収が1,000万円を超える世帯が20%以上の地域は、首都圏では、港区、中央区、千代田区と神奈川県の青葉区です。

 


12月の税務・総務予定
 

(税務)
給与所得の年末調整   (原則)本年最後の給与の支払日前日まで
*固定資産税・都市計画税(第3期分)の納付期限      通常月末
 (東京都・横浜市・茅ヶ崎市ほか28年1月4日)
 

(総務他)
*年初の通信(年賀状の代わり)の発送
*年末ボーナスの支給
 

 

 今月は、平成28年から適用される主な税制についてお話ししましょう。

 

1.マイナンバー関連

 

 しつこいですが、税務関係など(年金関係のうち一部は後になります)は、28年から利用がスタートします。すでに通知カードが、お手元に届いている頃だと思いますがどうでしょうか。

 

 個人番号カードの申請書も同封されていますが、絶対にカードを請求しなければならないわけではありませんので、使う予定のある方以外はそれ程急ぐことはありません。申請が集中すると年度末にも絡んで交付が遅れるかも知れません。

 

 事業者の方は、今年の年末調整の書類にこの番号を書いてもらうかどうか悩んでいると思います(平成28年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書には番号を記載する欄あります。)が、長期に勤務されている方で、来年も年末調整される方は、今年無理に番号を入手する必要はありません。ただし来年、定年などで退職予定の従業員がいるときは、早めに書いてもらってください。特に、これから短期のアルバイトを雇う方は、勤務開始時には、必ず番号を提示してもらうようにお願いします。

 

 管理の多くは、税理士事務所にお委せ頂ければ良いのですが、事業者の方にも、お願いがあります。

 

 個人番号は、原則として別紙(こちらで用意します。)に記載してもらい、番号の確認をしてください。

 

 もう一つ、長期に勤務して頂いている方は結構ですが、身元確認をお願いします。身元確認の一番良い方法は、運転免許証など写真付きのもので確認するのがベターです。何で確認したかは、記載欄を設けておきますので、書いてください。従業員の家族の方の番号は、従業員にお願いしてください。16歳未満の扶養親族の個人番号も記載してもらう必要がありますので、忘れずに記載してもらってください。

 

 但し奥さんなどの身元確認をしないように。今更なんだと夫婦げんかになります。

 

 e-Tax(所得税などの電子申告)を利用する方は、お持ちの住民基本台帳カードをお使いください。期限が切れている方は、12月22日(火)までしか更新できませんので、早めに個人番号カード(無料)を取っておいた方が無難です。

 

2.金融所得課税関係(平成25年度税制改正)

 

 大きな改正のスタートです。これまで国債などの特定公社債と上場株式等は、完全に切り離され、公社債等の利子等については20%(所得税15%,住民税5%・復興税を除く)源泉分離課税の対象から除外されていました。公社債も平成28年以後に支払いを受けるべき利子等については20%の税率による申告分離課税とされます。また,公社債等の譲渡所得等については,非課税の対象から除外され20%の税率による申告分離課税の対象となり、かつ上場株式等との損益通算が可能になります。

 

3.給与所得控除額の上限(26年度改正)

 給与収入から控除する給与所得控除額の上限が1,200万円までで230万円が上限となります。なお、平成29年分以後は1,000万円(控除額220万円)ともう一段階、少なくなり、増税になります。給与所得の方の5%ぐらいの方に影響があるとのことです。

 

4.日本国外に居住する親族に係る扶養控除等の書類の添付等義務化(27年度改正)

 

 外国にいる配偶者や子供を扶養控除等するときには、親族関係書類及び送金関係書類を確定申告書に添付することになります。28年分の給与支払いから必要になりますので、対象になる方はそろそろ用意しておいてください。問題は送金関係書類について、国外居住親族が妻と子供たちなど複数いる場合に、代表して妻だけに送金することがあると思いますが、各人毎に送金しないと妻だけの控除しか受けられません。

 

[Q23] 扶養控除等の適用を受けようとする国外居住親族が複数いる場合に、これらの国外居住親族に対する送金等を一人の代表者にまとめて行っている場合、その送金等を行ったことを明らかにする書類をこれらの国外居住親族全員分の「送金関係書類」として取り扱うことができますか。

 

[A]「送金関係書類」については、その年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものとされていますので、扶養控除等の適用を受けるためには、各人別の「送金関係書類」が必要となります。

 

 したがって、代表者の方にまとめて送金等がされている場合には、その代表者の方のみの「送金関係書類」に該当し、その代表者の方以外の国外居住親族に係る「送金関係書類」には該当しないことになります。 (国税庁「国外居住親族に係る扶養控除等Q&A(源泉所得税関係)」27年9月)

 

5.財産債務調書(27年度改正)

 

 現行の財産債務明細書が改編され財産債務調書となり、28年3月15日提出分から適用されます。

 

 この調書の提出者は、従来の所得2千万円超から見直され、所得2千万円超&総資産3億円以上(国外財産がないとき)となります。

 

 この調書は、財産の詳細を時価(見積価額も可)で記載する必要があり、特に株式などについては取得価額も併記することとなっています。

 この調書を提出した場合で、その財産について所得税・相続税の申告漏れがあった場合、過少(無)申告加算税が5%軽減されるなどの措置が執られます。逆に不提出・記載不備に係る部分については、所得税の過少(無)申告加算税を5%加重されます。

 

6.ジュニアNISA開始(27年度改正)

 

 ジュニアNISAは、未成年(0〜19歳)を対象に、年間80万円分の投資枠から得られた譲渡益、分配金・配当金に対して、税金が非課税になります。これがスタート。

 既存のNISA(少額投資非課税制度)は未成年者名義の口座でお取引ができなかったのですが、28年から可能となりました。

 

 省略
 
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2015年の出来事
 

今年最後の、事務所通信です。

 今年の主な出来事を取りあげてみます。

 1月・・イスラム国による日本人拘束・殺害事件の発生

 3月・・北陸新幹線の長野−金沢間が延伸開業

 4月・・国交断絶以来59年ぶりに米オバマ大統領とキューバのラウル・カストロ議長が会談

 ・ネパール中部地震発生

 5月・・箱根山で火山活動が活発化、噴火警戒レベルを2に引き上げ

 6月・・日本年金機構、加入者の氏名や基礎年金番号など、125万件の個人情報が外部に流出・個人情報保護法等の改正等が先に延びた!!

 8月・・中国の天津市浜海新区で大規模な爆発事故が発生

 9月・・「安全保障関連法案」が衆議院本会議で可決・成立

 ・関東・東北豪雨・鬼怒川が決壊するなど各地で甚大な被害

 10月・・ノーベル賞に大村智氏・梶田隆章氏が受賞

 ・杭打ちデータ改竄問題発覚

 11月・・パリ同時多発テロ

 ほかにも色々とあった1年でした。毎年のように災害とテロによる被害が多くなっている感じがします。

 

 省略

 


編集後記

 今年も1年間この事務所通信をお読み頂き、有り難うございました。来年もどうぞ宜しくお願いいたします。皆様にとって、今年はどんな年だったでしょうか。来る2016年(平成28年)が、素晴らしい年になるように、お祈りしております。これを発送すると、すぐに新年の記念号を考えなければなりません。今年も、最後の1ヶ月の追い込みは、続きそうです。それでは、新年にまた誌上でお目にかかれるのを楽しみにしています。 

   編集発行 株式会社プランニングファイブ