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SHONAN TAX OFFICE NO.304  
 




 

 
平成27年2月1日
 
個人番号カードは無料に
 

 先月1月末に、都心でも雪が降りました。こちらでも昨年は2月に2週連続で雪が降りましたが、今年はどうでしょうか。北国の人には怒られそうですが、今年は駐車場の雪かきがなければいいのですが。

以前お話をしたマイナンバー制度の続きです。

 マイナンバー制度は国民1人ひとりに1番号を割り振り、社会保障や税の手続きの効率化のために使われます。

 これは、平成27年10月に、自治体から住民票を持つすべての人に12桁の個人番号(マイナンバー)を付した「通知カード」が送付されることになっています。そして希望者には、顔写真付きの「個人番号カード」が配布されます。通知カードと一緒に個人番号カードの交付申請書が送くられてきますので、すぐ申請してください。来年の1月から順次交付されます。

 マイナンバー制度の前身である「住民基本台帳カード」は、莫大な税金を投入して鳴り物入りで導入しましたが、発行が有料だったこともあり浸透しなかったようです。もちろん、普及しなかった理由は、この他にも利用範囲が狭く、気が付いたら期限切れとなっているなど利用を先に考えなかったこともあると思います。

 そこで、政府は、個人番号カードの発行を無料にすることでマイナンバー制度の普及を促すことにしたようです。

 このための予算としてカード1千万枚分の発行費として、平成27年度に500億円が計上されています。平成15年に発行を始めた住民基本台帳カードは有料だったこともあって700万枚しか発行できませんでした。個人番号カードは、平成30年度までに8,700万人に配布する目標を掲げて、自民党などが無料化を求めていました。

 個人番号カードには、顔写真と個人番号のほか、氏名、住所、生年月日、性別等が記され、身分証明書として利用できます。また、e−Tax等の電子申請が可能な電子証明が標準搭載されているため、申告時の手続きも簡素化できるとのことです。

 

  図 省略   総務省H26/11「個人番号カードについて」

 
 

2月の税務・総務予定
(税務)
*固定資産税(都市計画税)の4期分の納付  通常月末
*税理士記念日      23日(月)
*贈与税の申告・納付          2月2日〜3月16日
*所得税の申告・納付          2月16日〜3月16日
*個人消費税の申告・納付           3月31日(火)まで

(総務他)
*平成27年度経営計画の策定
*4月新卒者入社前研修
*人事評価

 
 
 

平成27年度の税制改正が、昨年12月30日に与党である自民・公明党から、「平成27年度税制改正大綱」として公表されました。

 

*その中の一つに法人税改革があります。

 @ 法人実効税率の引下げ

 これに伴い、税収確保のために次の改正が行われます。

 A 欠損金の繰越控除制度、

 B 受取配当等の益金不算入制度、

 C 租税特別措置の見直し、及び

 D 外形標準課税の拡大 などです。

 

@ 法人実効税率の引下げ(法法66他)

 具体的には、今年の4月(平成27年4月1日)以後開始事業年度から段階的に「法人実効税率」が引き下げられます。

 国税である法人税率を27年度から23.9%(現行25.5%)に引き下げるとともに、大法人向けの法人事業税所得割(地方法人特別税を含む)が順次引き下げられます。これにより国・地方の標準ベースの実効税率は、現行の34.62%から27年度に32.11%、28年度に31.33%に下がります。20%台を目指していますので、これからも下がる予定です。

 現在一般の中小法人の法人税率は「年800万円以下の所得金額」について19%に軽減されており、さらに租税特別措置により15%に軽減されていますが、この措置法による15%の軽減税率は28年度まで2年間延長されます。差が大きいので改正されるかと思いましたが、有権者の多い中小法人は、当分低税率が維持されました。

 

    法人税率(%)
法人税率 現行 27年度 28年度
一般 25.5 23.9
中小800万円以 下 15
 
15
 
同 超 25.5 23.9
 

A 欠損金の繰越控除制度(法法57)

青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除制度等について、控除限度額を段階的に縮小されると共にその繰越期間が延長されます。政策によるものですので、どの様に変更しようと構いませんが、赤字が出た翌年以降の所得から差し引く控除を制限をするならば、大法人にも前年以前に支払った法人税からも手当てする方が理解

しやすいものになると思うのですが。

 

  現行 27-28年度 29年以降
繰越限度額
所得金額の%
80%
 
65%
 
50%
 
繰越期間 9年 10年
 

 経営再建中の法人や及び新設法人については、7年間は所得金額の100%控除が認められます。また、中小法人(一定の大法人の子会社は除かれます)については、現行と変わらず所得金額の100%の控除が認められます。繰越期間についても、大法人と同様、平成29年度以降生じる欠損金について9年から10年に延長されます。

 

B 受取配当等の益金不算入制度(法法23)

 法人が、株主となっている法人から配当を受け取った場合に、その全額が(課税)所得になったとしますと、現行の35%の実効税率のもとでは、100の利益が出た法人が税引き後の全てを株主である法人に支払ったとしますと3年後にはこのうち82が税金で支払われることになってしまいます。これでは、問題です。そこで配当を受け取った法人について所得とするのを制限する方が理論的ですが、現在は持株割合が25%未満の株主(通常この場合かと)については50%は所得として計算しないことになっています。これが今回の改正で、持株割合が5%未満の株主法人は20%しか所得に計算しないとされますので、100の配当をもらったら80は、法人税が課税されます。

 この50%の基準は、昭和63年に100%から80%に縮減され、平成14年に80%から現行の50%になっています。これは、先進諸国の比べて突出しています。

 

 

*所得税関係

 

○ NISAの非課税口座に受け入れ可能な上場株式等の取得対価の限度額を120万円に引き上げられます。今まで年100万円でしたので、チョビットしか増えませんが、毎月の定額投資(10万円×12ヶ月)を可能し、若年層への証券会社の勧誘を行いやすくする改正です。28年分以後に適用されます。

 

○ 未成年者(0歳から19歳まで)への投資による貯蓄促進を促すため、いわゆる“ジュニアNISA”が創設されます。これは、毎年80万円を上限に、来年1月から未成年者の口座が開設できるようになります。

もともとこれは、英国の前政権で創設され、政権交代で廃止された「チャイルド・トラスト・ファンド(CTF)」の後に創設された

“ジュニアNISA”のコピーのような制度です。若いうちから投資家の資質を育て(18歳までは、親権者が代理しますが)、将来のトレイダーにしようとしているのかも知れません。楽をして稼いではいけないと教わったような気がしますが。

 

*相続税・贈与税関係 

 

○ 結婚・出産を後押しをするための措置で、個人(20歳以上50歳未満)の結婚・子育て資金の支払に充てるために、その直系尊属が金融機関に信託等をした場合には、受贈者1人につき1,000万円(結婚費用は300万円)までは、平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間に拠出されるものに限り、贈与税が非課税とされます。ただし、贈与者の死亡時の残高は相続財産に加算されますし、そのお子さんが50歳に達したときの残高に、贈与税が課税されます。

 

○ 教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、通学定期券代、留学渡航費等を使途の範囲に加え、適用期限を平成31年3月31日まで延長されました。

 

 省略

 
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確定申告の間違いやすい事例
 

 個人の所得税の確定申告が始まります。通常の所得税・贈与税の申告・納付期限は、3月15日ですが、今年は、その日が日曜日のため、翌日の16日が期限となります。個人で消費税の申告がある方の、申告・納付期限は、所得税より遅く3月31日(火)になりますが、事務所では、15日までに一緒に提出してています。

 

(誤り)差額ベッド代は、医療控除の対象にならないと思っている。
 
 

(正しい)入院の対価として支払う部屋代等の費用で医療費控除の対象となるものは、医師等の診療等を受けるため直接必要なもので、かつ、通常必要なものであることが必要です(所基通73-3)が、症状や病院の都合でやむを得ず個室を使わなければならない場合には医療費控除の対象になります。

 

(誤り)在宅療養の場合に、看護師や保健師以外の者に依頼して療養上の世話を受けるために支出した費用は、医療費控除の対象にならないと思っている。
 

(正しい)医療費控除の対象となります。

 保健師、看護師等以外の者で療養上の世話を受けるために特に依頼した者から受ける療養上の世話の対価も、医療費控除の対象となります(所基通73-6)。この場合、療養の場所については、病院であるか、自宅であるかを問いません。

 例えば、在宅療養の寝たきり老人の療養上の世話を家政婦に依頼した場合の対価は医療費控除の対象となります。

 

(誤り)レーシック手術(視力回復レーザー手術)の費用は医療費控除の対象にならないとしている。
 
 

(正しい)医師によるレーシック手術に係る費用は、医師の診療又は治療の対価になり

ますので、医療費控除の対象になります。

 

(誤り)病院に支払う入院患者の食事代は入院していなくても必要なものなで、医療費控除の対象にならないと思っている。
 
 

(正しい)病院に支払う入院患者の食事代は、いわゆる入院費用の一部であり、入院の対価として支払われるものですので、通常必要なものに限り、医療費控除の対象となります(所基通73-3)。そんなことは無いと思いますが、病室に出前をとったり外食をした場合の食事代は、もちろんダメです。念のため。

 

 省略

 

編集後記 寒い日が続きます。一度風邪を引くとなかなか抜けません。以前ほど注目されていませんが、昨年12月以降、宮崎県、山口県及び岡山県に高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜が報告されています。所得税等の確定申告は、早めにご依頼ください。
        
編集発行 株式会社プランニングファイブ