P5 NEWS         SHONAN TAX OFFICE NO.130
 




 

平成12年7月1日

選挙権

 先月25日に衆議院議員の選挙が行われました。1週間たった今、選挙前に繰り拡げられてきた政策論争はもう無かったように影を潜めています。

 当選した議員は、手のひらを返したように議員先生に納まり、投票をした方ももはや過去のこととして、綺麗サッパリ忘れ去ってしまいます。

 そこで今月は、酒席でのつまみとしての内容しかないと思いますが、選挙権の話です。

 最初に良く言われることですが、選挙権という選挙に参加する資格又は地位とは、権利であるのか、義務であるかという問題があります。これは、私の能力の外ですし、実益があるとも思われませんので、ここでは選挙権とは個人の固有の権利だとしておきます(最判昭30.2.9刑集9.2.217)。

 また、参政権と言われることがありますが、これは選挙権や国民投票権や請願権などもっと広い範囲に用いられている場合が一般的です。通常近代国家では、機構も複雑になっていることから国民は間接的に政治に参加する間接参政によっていますが、直接参政もないわけではありません。例えば、憲法改正における国民投票のような国民表決(レファレンダム)や今回の選挙でも行われた最高裁判所裁判官の国民審査のような国民拒否(ポピュラー・ヴィートー)の方法などがあります。この裁判官の国民審査は積極的に信任するというより罷免の意思表示という形態をとっているため制度自体は直接に国民が参加すると言うにはほど遠い仕組みになっていることから、形骸化されてしまっているのが現状のようです。

 今回は選挙のお話なので、元に戻しますが、選挙制度の歴史は、納税額や門地などを要件とする制限選挙から普通選挙へ、一部の人が複数の投票権を持つ不平等選挙から1人1票の平等選挙へと権利拡大の歴史を経て今日のような、普通・平等・秘密・直接選挙が基本的に保障されました。

 しかしその、権利の拡大の歴史にも関わらず、残念ながら権利の行使は、歴史の流れに反比例するように低調になってしまっています。

 今回の衆院選の投票率は、全国平均約63%と、史上最低だった前回1996年(60%)に次ぐ低い水準となりました。何とか史上最低にならなかったのは、投票時間が2時間延長されたためだそうです。午後6時以降の2時間に、各地で投票率が急速に伸びて、早い時間から投票に行くことが多い組織票の足が意外に鈍かったのに比べ、一般に出足の遅い政党支持を持たない「無党派」が、夕刻以降の「駆け込み」投票に集中したという分析がなされています。

 選挙結果は、国民の多数により決められたことですので、とやかく言う筋合いのものではありませんが、投票率は、国民の民主主義感覚の尺度となることですので、国民の政治離れなどと簡単に割り切って良い性質のものではありません。

 最近、選挙権を得た若い世代では、あまりに無力な1票に投票する意欲をなくすことも理解できないわけではありませんが、長いこと?投票していると、結果はともかく選挙で1票入れることは、それ以外の効果もあることに気がついてきます。学習というのは大げさかも知れませんが、たかだか1票とはいえ、自分がした選択に対しての責任は発生しますので、結果を忘れずに次回はどうしようかを学ぶことができます。何もせずに寝ていろと言われて寝ていては、この国の将来は期待できなくなってしまいます。

 91歳の年老いた母が、小雨の中、投票所に急遽取り付けられたスロープの手摺りに掴まりながら選挙に行く姿を見るときまだまだこの国も見捨てたものではないと思うのは間違っているでしょうか。少なくとも目を覚ましている人もいました。

 


7月の税務・総務予定
(税務)
*所得税の予定納税額の減額申請  17日
*所得税の予定納税額の納付    31日
*源泉所得税の納付(納期の特例含む)10日
*固定資産税の第2期分の納付  通常月末
(総務)
*夏期休暇の連絡準備
*中元贈答品の処理
 

【税務のお話】

* 今月は、源泉徴収の納期の特例の納付月です。通常、給与支払者などの源泉徴収義務者は給与等から源泉徴収した所得税を翌月10日までに金融機関を通じて国に納付しなくてならないことになっていますが、従業員が10人未満の源泉徴収義務者は、「源泉徴収に係る所得税の納期の特例」を受けていますと1月から6月分までの源泉所得税はその年の7月10日までに、7月から12月分までの源泉所得税は翌年の1月10日まで(1月20日まで延長可能)に納付することになっています。このため、この適用を受けると7月10日が納期限になります。念のため。

* 今年、12年分相続税・贈与税の土地の評価額に適用される路線価の公表日は8月4日です。

 また、今年度の税制改正で取引相場のない株式の評価方法が改正されましたが、その具体的な内容を示す財産評価基本通達も同時期に公表される予定になっています。

* “そごう”の再建策のため、預金保険機構は、新生銀行(旧日本長期信用銀行)のそごう向け債権2,000億円余を買い取り、970億円の債権放棄に応じることになったそうです。結果として「税金による私企業救済」ということになりました。

 ところが一般の企業ですと、一部債権放棄してその部分が貸倒だというわけにはいきませんし、寄附金課税を受けることがあります(寄附金も経費ですが、その性質上損金になる額が制限されています。)。

 皆さんの会社が、その子会社などを救済等するために子会社に対する債権を放棄などする場合に貸倒損失となり、寄附金課税されない要件としては、通常、次のような場合であるとされています。@損失負担等を受ける者が「子会社等」に該当し、Aその子会社等は経営危機に陥っている、B損失負担等を行うことが相当な理由がある、C損失負担等の額(支援額)が合理的である、D損失負担等の後、子会社等の立ち直り状況に応じて支援額を見直すこととしている、E損失負担等をする支援者の範囲は相当であること、そしてF損失負担等の額の割合は合理的であるという7つの要件が必要とされます。現実には個別事情がそれぞれ異なりますので、難しい問題を孕んでいます。 また「債権支援に関する約定書」や「再建計画書」等の作成をしなければなりませんので、事前に私ども税理士事務所にご相談下さい。



          Corner 

 

 誌上PC教室第4回

 インターネットを使って電話をしてみませんか。

 このためには、マルチメディア対応のパソコンを用意しなければなりませんが、最近のものはまず使えます。そのようなパソコンは、マイクが最初からついています。

 次にインターネット電話のサービスをしてくれるサイトを探さなくてはなりませんが、私は、http://dialpad.com/のサービスをうけています。サービスは今のところ無料です。サイト上でIDの登録をして準備OKとなります。日本からインターネットを使って米国に無料で電話することができます。両者が同じサイトにログインしておけばパソコン同士でも可能です。試してみませんか。

 

 途中省略

 


 編集後記
 なかゆき会ゴルコンペにご参加の皆様、有り難うございました。事務所からの参加者は練習の甲斐あって、見事にB.BとB.Bメーカーとなることが出来ました。次回なかゆき会はバスス旅行です。多くの皆様のご参加お待ちしております。
 編集発行 株式会社プランニングファイブ
 

    

Last Updated: 7 /JULY/2000