平成10年12月1日
ASAP
今年も、もう師走。だんだん1年が短くなっていくような気がします。
今年は、仕事が減って暇な1年間だった方も、逆に忙しかった方もいらっしゃると思います。でも、いずれにも共通している点は、収入が減ったことかも知れません。人員の削減や低廉な価額でやっと切り抜けてきた企業では、忙しくなった割に手元に入る売上金は減少します。
今年1年で2度の特別減税が実施されましたが、金融機関の破綻などマイナス材料が多い中、予想通り、単に財政赤字を増加させただけで終わりそうです。来年早々にも、景気の先行きが見えないことには、また新たにアメリカから景気対策を求められることは予想されます。米国の好景気に支えられた我が国の貿易黒字が批判を受けないわけはありません。その時になってまた泥縄式の追加策では期待する方が無理でしょう。
来年度より法人税率が下がります。通常の法人の場合には、来年の3月決算法人がこの恩恵を受けますが、5月に法人税の納付をするときに、税率が下がったと喜ぶ法人がどれほどいるでしょうか。倒産の危機と赤字法人の増加しているときにこの減税効果が期待できるわけがありません。本年度の法人税改革は、引当金の計上を縮減したり、交際費課税の強化や少額減価償却資産の制度の創設により課税する範囲を広げて、諸外国並みの法人税率に引き下げました。税率を下げたことにより影響がでるのは、限りなく大きな課税利益が出たときにはっきり現れますが、国際的な競争力を確保する以前に会社がつぶれてしまうかも知れない企業には当てはまりません。
景気対策も行政改革も明るい材料のないまま年を超えそうです。出来うる限り早急(ASAP)な対策・実施を望みたいものです。
12月の税務・総務予定
(税務)
*保険料控除申告書及び配偶者控除申告書等の提出
今年最後の給与の支払いを受ける日の前日まで
*給与所得者の年末調整
今年最後の給与の支払いをするとき
*個人の消費税の課税事業者選択 届出、消費税簡易課税選択届出
31日(日付厳守)
*固定資産税及び都市計画税第3期分の納付 通常月末(1月4日)
(総務)
*社会保険賞与等支払届 支払い後5日以内
*年賀状の発送
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最近、数人の方から質問を受けた税務相談から・・・
これは、住宅取得特別控除を受ける場合に、本年中に入居したら良いか、来年にしたらいいかと言う質問です。
住宅取得特別控除というのは、個人が、一定の要件を満たす居住用の家屋を取得して、6ヶ月以内に入居し、その後も引き続き居住している場合に、その家屋の取得に係る一定の借入金について、その人の所得税の額から借入金残高に一定の割合を乗じて算出した金額を控除するという制度です。
この制度は、めまぐるしく変わり、今どうなっているのか迷うところですが、現在の法律(本年度もこの制度の適用を受けることの出来る人の合計所得金額が3千万円以下となる改正がありました)では、次のようになっています。
居住を始めた年によって6年間にわたってこの住宅取得特別控除を受けることが出来ます。
平成10年中に居住した場合
借入金
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1〜2年目 |
3〜6年目 | 1,000万円
以下 | 2.0%
| 1.0%
| 1,000万円〜
2,000万円
以下 | 1.0%
| 1.0%
| 2,000万円〜
3,000万円
まで | 0.5%
| 0.5%
| 各年の控除
額の限度 | 35万円
| 25万円
| 控除総額
| 170万円
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平成11年中に居住した場合
借入金
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1〜2年目 |
3〜6年目 | 1,000万円
以下 | 1.5%
| 1.0%
| 1,000万円〜
2,000万円
以下 | 1.0%
| 1.0%
| 2,000万円〜
3,000万円
まで | 0.5%
| 0.5%
| 各年の控除
額の限度 | 30万円
| 25万円
| 控除総額
| 160万円
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このように住宅取得の借入金は、
3千万円までとなっていますので控除額には限度が設けられています。
この他、この控除額の計算は平成13年まで定められています(措置法41)。
これで見ると、平成10年に入居した方が若干トクになりますが、来年度の改正で、住宅ローン利子控除なども取り上げられていることから、大幅な改正も考えられ、何時入居するのがベターかは一概にいえません。
いずれにしても、住宅取得特別控除は、いろいろな要件がついて初めて適用できますので、書類がそろって初めて明確になる場合が少なくありません。 ご注意ください。
次は、年末調整についてです。これは多くの方に適用がありますので、毎年のことですが、少し説明しておきます。
年末調整事務を行う会社や事業者には、税務署から年末調整についての書類と説明会のお知らせが郵送されてきていると思います。年末調整事務を税理士事務所に依頼されず会社で行われる方は、必ず説明会にご出席ください。誤りが多くなっています。
年末調整の対象となる方は、
*本年中の給与の額が2千万円以下の人
*2ヶ所以上から給与の支払いを受けている方で、当社が主たる勤務先の人
*今年、死亡退職された人
などです。
注意しなければならない点は、
*今年特別減税がありましたので、特別減税額を、源泉徴収簿の「年調年税額 21」欄の右側の余白に記載し ます。
*今年、中途入社された従業員の人は、前職の「源泉徴収票」を取り寄せてください。
医療費控除や、初年度の住宅取得特別控除は、年末調整では出来ませんので、その旨をお知らせして確定申告をしてもらってください。
本年も有り難うございました。
平成10年という年
(株)P5では、経営計画策定、保険・
不動産等の資産運用業務を行っております。
P5通信も今年の1月号で100号を超え、毎年月初には事務所通信のネタを探すのに苦しんだ1年でした。毎年のことですが....
今年一年間のタイトルは、
1月号 100号記念
2月号 7桁郵便番号
3月号 確定申告
4月号 ビッグバン
5月号 GWの海外旅行
6月号 Shall We Dance?
7月号 Pride and Election
8月号 Perks & Impartiality
9月号 So help you God!
10月号 The Star Report
11月号 Kickbacks そして
今月12月号は、ASAP(as soon possible)です。
また、今年はP5のドメイン(インテーネット上の住所のようなもの)をとりました。
色々思い出しますが、何とか1年が過ぎそうだという感じです。
編集後記
年末調整の書類をお送りしておりますので、準備をお願いします。今年は、二度の特別減税で少しずつ還付されていますので、年末調整による還付金は例年より少なくなります。途中で少しずつ戻されるより、一度に沢山戻った方が効果があったようにも思います。商品券然り。来年こそは効果的な減税をやってもらいたいと思いますがどうでしょうか。
編集発行 株式会社プランニングファイブ
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Last Updated: 3/DEC/1998