P5  NEWS       SHONAN TAX OFFICE NO.233   
 



 
 
平成21年2月1日
 
電子申告特別控除
 
 お正月も遙か彼方。もう個人の確定申告の時期です。申告する方は、すでに1月から申告されています。

 

 地元税務署(藤沢)の幹部の人の話では、1月下旬は一日あたり500件ぐらいの人が申告に訪れ、3月の申告期限になると3倍以上の人が集中して申告されるそうです。これで申告される方は4〜5万件でしょうか。全体の申告が12-3万件ですので、半分以下の方が署で処理されている計算になります。
 

 事務所でも、所得税の確定申告業務がすでに始まっています。今年は、原則として、法人の申告と同様に電子申告で行おうと思っています。もちろん住宅を買われてローン控除をされる場合やマイホームを売られたなど今回だけ申告される方は,原則としては、従来通り所轄税務署に持参して提出することにしています。

 

 電子申告ですと、申告書を作成すると随時申告することができますし、電子申告であると言うことで、還付も早く処理されるようです。

 

 なお、電子申告を行うと、1回だけ5千円の税額控除ができる電子申告特別控除制度があります。ただし私どもの事務所で行わせて頂いております代理送信ですと,この控除を使うことができません。控除を受けるためには、ご本人の電子証明書(ICカードと言われているもの)が必要になりますが、この証明書をお取りいただいている方は、まだ多くありません。これは、面倒なばかりでなく、費用もかかることに起因しているようです。

 

 使い道の少なく評判の悪いこの電子証明は、新聞報道によりますと廃止される方向のようです。その時にこの電子申告特別控除制度があれば使えます。21年の税制改正では2年間延長されることになっています。

 

 なお、電子証明書をお持ちで、5千円の控除を受ける方は、まず、初期登録である電子証明書等の登録を行っていただかなければなりません。この登録申請を2月中に行っていただかないと,この控除を受けるための要件である期限内申告ができません。
 
















 

2月の税務・総務予定
(税務)
*固定資産税(都市計画税)の4期分の納付  通常月末
*税理士記念日     23日
*贈与税の申告・納付        2月1日〜3月16日
*所得税の申告・納付        2月16日〜3月16日
*個人消費税の申告・納付        1月4日〜3月31日
(総務他)
*平成21年度経営計画の策定
*4月新卒入社研修
*人事評価

 
 さて今回の税務の話は、無料相談会場などで納税者の方から質問を受けた内容からお話をします。
 
(アパートの火災保険金)
1.賃貸アパートで火災が発生したので保険金が下りた。それで修繕したが、保険金の方が多いときはどのように申告するのか。
 

 こんな質問は珍しいのですが、無いわけではないので少し考えてみまししょう。

 

 保険金の内容が、休業補償ではなくアパートの損害を補填する保険金だとしますと、修繕費(原状回復するためのもの)より多い保険金が入ったとしても、原則として、手元に残った超過部分は収益に計上する必要はありません(所法2条@十六、所令30条、94条)。
 ついでに逆に入ってきた保険金の方が少なかったときは、チョット複雑です。入ってきた保険金より、火災による損失が多いと言うことになれば、理論的には差額(修繕費120−保険金100=50)を損失として計上できることになりますが、価値の増加とみれば資本的支出として減価償却しなければならないことも考えられます。いずれにしても保険金の内容の精査は必要です。
 

 

(住民税の寄附金控除)
2.住民税で寄附金控除の対象となるとして条例指定されたところはどこか。
 
 

 想定外の質問です。知るか!!といいたいところですが、そうもいきませんので概要をお話します。簡単な話、寄附を受けたところで聞いてもらうのが一番ですし、寄附を募るところは、申請をして条例指定を受けていますので、判っているはずです。 この話は、住民税の話で、昨年の改正により設けられたものです。住民税の寄附金控除の適用対象に、所得税の適用対象となる寄附金(国や政治献金は除かれます)のうち、住民の福祉の増進に寄与する寄附金として都道府県や市区町村が条例で定めるもの(「条例寄附金」と言うことにします。)が対象になり、所得控除方式から税額控除方式に改正されました。

 

*簡単な例で見てみましょう。

 この条例寄附金は 寄附金額から5,000円を控除した額に控除率を乗じた額が控除されます。そして、都道府県の控除率を4%、市区町村の控除率を6%となりますから・ 

イ 県指定寄附金3万円のとき

(寄附金30,000円−5,000円)×4%=1,000円 が控除されます。
 

ロ 市指定寄附金2万円のとき

(寄附金20,000円−5,000円)×6%= 900円 が控除されます。
 

 

(配当所得の確定申告)
3.少額配当で一定のものについては、所得税の確定申告書に配当所得として申告しないことができるが、配当所得とした場合に、住民税、国民健康保険・後期高齢者保険料にも影響が出てくる。幾らまでの所得だと申告した方が有利か。
 

 国民健康保険料(税)などは,市区町村など異なりますし、それ程多くないでしょうから、除外したところで考えます。

 

 この場合、課税所得金額を330万円としますと,税率は20%(所得税10%、住民税 10%)です。

 配当所得には,二重課税の排除を目的として配当控除があり、それが12.8%(所得税10%、住民税2.8%)ですから、20%−12.8%=7.2%で、上場株式の配当の源泉徴収税率が10%ですので、申告した方が有利になります。330万円を超えますと所得税率が20%となりますので、実質税率は30%-12.8%=17.2%>10% となってしまいます。

 

 なお、非上場株式の配当の場合は,配当の税率が20%ですので、課税所得金額が900万円まで、申告した方が有利になります。

 
(なぜ申告書に利子所得があるのか)
4.預金利息は、源泉分離で確定申告をしないで所得税が完結するのに、申告書になぜ利子所得の欄があるのか。
 

 結論から言いますと、公社債の利子で源泉徴収されていないものや国外債の利子などがあれば、確定申告により総合課税されます。でも,今まで利子所得として申告しなければならなかったことはありません。

 

 

付添の交通費の医療費控除)
5.病院に一人で行くことができない子供のために付添で母親が一緒に通院するときに、母親の交通費も含めて医療費控除の対象となるか。
 

 これは、よくある話です。子供の通院に母親が付き添う場合のように、患者の年齢や病状からみて、患者を一人で通院させることが危険な場合には、患者の通院費のほかに付添人の交通費(通院のために通常必要なものに限ります。)も医療費控除の対象となります。

 

 しかし、入院している子供の世話をするために母親が通院している場合は、患者である子供自身が通院していないことから、母親の交通費は、医療費控除の対象とはなりません(国税庁・質疑応答事例)。

 なお、自己所有の自動車で通院し、病院の有料駐車場に駐車した場合の駐車料金については、電車賃やバス賃などのように人的役務の提供の対価として支出されるものではないので、対象とならないとされています。
 
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税の歴史−室町時代-1
 前回は、中世−鎌倉時代(1182-1333年)の税の話をしましたが、今回は、その後の南北朝・室町時代(1333-1467)の税の話をすることにします。
 

 鎌倉幕府は、元寇による影響もあり経済の混乱などによって崩壊しました。その後後醍醐天皇の建武の新政(1334)。でも長続きせず、二年足らずで足利尊氏による幕府の再興が図られました。尊氏の邸宅が京の室町にあったことから室町幕府といわれています。

 

 税は、室町幕府をはじめ公家や寺社も,それぞれの所有する荘園から得ていました。 ここでは幕府についてお話しします。幕府直轄の荘園のことを、「御料所」とか「公方料所」とか言われていました。

 

 この「料所」からの税収ですべてまかなわれる訳ではなく、室町幕府は、京都における最大の商工業者に対する税である酒(さか)屋(や)土(ど)倉(そう)役(やく)も重要な税の柱になっていました。

 

 この酒屋土倉とは、酒造りや高利貸し業者である土倉を意味し、いわゆる金持ち税というところだったようです。その頃の京の酒屋は三百数十カ所といわれ、それらのものの多くが土倉も営んでいました。酒屋役の徴収は、一件あたり十壺から数十壺とだったようです。酒税は、明治の時代に税収のトップを飾ったことを考えると,酒は昔から重要な税収になっていました。

 

 土倉役は、金融業を営む土倉に営業特権を認める代わりに、納めさせた役銭であったようです。この金額がどのくらいだったか判っていませんが、この酒屋土倉役は、現在の消費税のように幕府にとっては安定した税収として幕府財政の一翼を担っていたことは確かなようです。

 

 現在の一般的な税は、50種類ぐらいとあるとされていますが、室町時代の税もそのほかに色々とありますが、紙面が無くなってしまいましたので、続きは次回に。

 
*無料のホームページの作成をしています。ご希望の方は、ご連絡を・・
 
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編集後記

 個人の確定申告が始まりました。所得税は3月16日まで、消費税は3月末が期限です。早めに書類を頂ければ、早めに提出させていただきますし、2月中に資料を頂けますと税理士報酬にも有利です。インフルエンザや流行しているようですので、外出後は、手洗い・うがいをお忘れ無く。この時期、風邪引かないように気を引き締めないと。
      
                編集発行 株式会社プランニングファイブ