P5 NEWS
      
SHONAN TAX OFFICE NO.202
 



 
平成18年7月1日
税制調査会
 沖縄を除いて、季節は梅雨。各地で大雨の被害が続出しています。関東でも高温多湿、厚い雲が切れ目無く覆っています。意外と風邪を引いている方を見かけますが、季節の変わり目、身体に気をつけてください。
 “税制調査会”という言葉をよく耳にすると思います。税制調査会には、政府税制調査会(政府税調)と党税制調査会の二つがあります。
 政府税調は、内閣総理大臣からの要望(諮問)を受けて、税制改正についての調査報告や答申などを作成し公表ています。
 税務に携わっている者としては、税調の議論は、参考になりますし、言葉は悪いですが、官がどのように誘導しようとしているかも判ります。
 相続税を増税しようとしているのが見え見えですが、最近の政府税調の議事録(18.5.23)から、おもしろい内容もありましたの、簡略化して紹介してみたいと思います(http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/top.htm)。
 

 最近色々と取り上げられている「少子化」についてです(野村総研・中村研究理事、内容は一部概略化しています

 

「2025年には65歳以上の人が3割になります。生まれている子は、今、107 万人。昭和24年当時は270 万人。死んでいる人の数は108 万 人になり、昨年から人口純減社会です。
 そして2007年から2010年にかけて、昭和25年生れまで入れた1,000 万人のベビーブーマーが還暦を迎えて(そこに入っているのか)、この国は急速な高齢化社会になります。そのときアジア地区では2008年が北京オリンピック、2010年が上海万博で、中国がアジア最大の経済大国になるとき、日本は高齢化社会をどうマネージするかが必要となります。
 東京ですと、30〜34歳の女性の半分が独身です。結婚していないから、子供が生まれない。子供が生まれないにもかかわらず、保育所が東京、名古屋、大阪で不足しています。これは、那が信じきれなくなった中で夫婦共稼ぎで行こうという人が急速に増えたために、対応が整っていないからです。」
 「どうして子供が生まれないかは、晩婚化と晩産化。平均女性の初婚年齢が一貫して上昇し28歳近くなり、最初の子供が29歳ぐらいで生まれ、直近においては生まれる子の半分以上が30歳以上の女性から生まれ、高齢化が進む中で50万のカップルが不妊に悩んでいます。
 では、なぜ結婚しないのかという問題でありますが、アンケート結果を見ると、東京の未婚女性の66%は少なくとも旦那様の年収に400 万円以上を期待しているが、一方、未婚男性の78%は年収400 万円未満であって、折り合いがつかない。
 高齢化社会は、社会保障全体に動揺を与える。例えば公的年金は親への仕送りの社会化であります。
 医療についてみれば、医療保険というのは、皆でお金を出し合って、病気になった人が病院で少ないお金を払えばいいようにしましょうという相互扶助の仕掛けです。65歳未満の方は1人平均15万円しか医療費を使っていないけれども、70〜74歳になると61万円、85歳以上になると105 万円使う。したがって、全人口の2割に当たる65歳以上の高齢者が、医療給付の5割(16兆円)を利用している。全体が32兆円。
 高齢化について具体的に言うと女性が70代に入ると夫が不調になって、70代後半に夫が死亡して、自分が80代後半死亡するという形になる。そこの70代から80代に至る老夫婦に対して、介護費で6兆円、高齢者医療費で70歳以上で13兆円、約20兆円の給付が続いているというのが現実です。そして、その半分が税金によって賄われている。
 医療費に関して少し応能の原則というのを考えたらどうだろうか。それを相続税で考えたいということであります。」 (へー??##)

 


7月の税務・総務予定
(税務)
*納期特例適当社の源泉所得税の納付        10日まで
*所得税予定納税額    第1期分の納付   31日
*固定資産税及び都市計画税の第2期分の納付  通常月末
(総務他)
*社会保険月額算定基礎届

 
 
【重要な税制改正】
 役員給与に関してです。
 何度もここで書いてきましたが、新しい情報が1週間単位で出てきます。とにかく実務的に重要な改正ですので、注意しておいてください。
 
★ 役員給与は原則損金不算入
 法律では、原則損金不算入。例外として損金算入できるものとしては、
 
@ 定期同額給与であること
 役員は、原則給与(報酬)を変えてはいけません。
 報酬額を変更して良いのは、事業年度開始から3ヶ月以内に一度だけ改訂されたものだけです。
イ.OKなものは次の場合だけ・・

 図 省略

 

 
 以上の3つのパーターンのみです(減額の場合を除きます)
 
ロ.ダメな場合
a 3ヶ月以内要件以外
 この場合には、すべての給与が損金不算入になると考えられています。「定期」をどうみるかによりますが、支払額全額の損金不算入というのは、疑問に思っています。
 
b 定時株主総会等で役員の給与を期首に遡って改訂し、一時支給する場合
 
 増額部分が、損金不算入となります。
 
c 役員歩合給
 特殊な事例ですが、今まで役員に対して固定給の他に、売り上げ目標等に応じて歩合給などを支払った場合に、従業員と同一基準である時は、例外的に認められていました(法基通9-2-15)。これが認められなくなります。
 これについては、とやかく言いません。
 
A 特殊支配同族会社の業務主宰役員給与の損金不算入
 これも、酷い改正です。これをクリアーするためには、特殊支配同族会社にならなければいいのですが、この特殊支配同族会社とは、“持株等の割合が90%以上である同族会社で、かつ常務に従事する役員のうち、業務主宰役員と常務に従事する業務主宰役員関連者の数が、50%超の場合(常務従事役員割合)に該当する(法法35条@)”とされています。
 それならば、役員の中に従業員などを入れようとする対策が考えられます。 最近の情報では、 常務に従事する役員に該当する役員とは、「会社の経営に関する業務を役員として実質的に、日常継続的に遂行している役員」でなければならないことから、“使用人兼務役員”を含めないとした情報が出てきました。“定期同額給与”では、実質役員として業務連動歩合給は認めないとして、こちらは、殆どが役員でないと考えを使い分けています。
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(株)P5では、経営計画策定、保険・不動産等の資産運用、相続対策業務、パソコンの購入及び指導、貴社のホームページの作成・ドメインの取得、計算書類の公告のお手伝いをしております。
 
 
 
『新会社法と税務会計』
 
 
 

『中小会社のための新会社法と税務会計』という本を出しました。

 

 この事務所通信を送らせていただき、関係有りそうな方々には、送らせてもらいました。事務所通信を受け取られている方で、届いていない場合には、興味をお持ちでしたら、贈呈させていただきます。今まで、何冊か書いてきましたが、専門的であったり、網羅的であったりしましたが、今度は読み物として気楽にお読みいただきたいと書いております。国会の審議録も載せておきましたので、直接関係のない皆様にも、それだけお読みいただいても、こうやって法律が出来たのかと違った意味で参考になるのではないかと思います。
 この本、昨年秋口に最初に書き上げました。しかし来年度の税制改正を入れようと、最終原稿は、今年の4月の初旬へと大幅にずれ込んでしまいました。当時『法人税法講座・改訂版』と重なって、初校が5月中旬。中小企業の会計に関する指針も重要な位置づけとしていましたので、4月末の改正に合わせて、大幅に手直し。登記関係の通達もだされ、それも書き換え。今度ばかりは、もう一度校正させてもらいましたが、訂正箇所の多かったこと。出版社の税務経理協会さんには、大変ご迷惑をおかけしました。
 ただし、未だに、十分でないところもあり、冷や汗ものです。過大役員退職給与は、隠蔽・仮装経理と共に損金不算入ですが、文中ではそうは読めません。なお、その前の6月に出した『法人税法講座 改訂版』では、損金不算入として記載しております。
 気がついたところは、ホームページに正誤表として出しておきたいと思っています。
 

 

*無料のホームページの作成をしています。ご希望の方は、ご連絡を・・

 

 


 編集後記  
 梅雨の季節が終わると、暑い夏。楽しみだったり、一方で猛暑残酷物語。太っていると辛い?今年の前半のけたたましさから、一転ノンビリして、机に向かってボーとしているときが多くなっています。梅雨が明けたら、もとい夏休み明けに頑張ろう。
 編集発行 株式会社プランニングファイブ