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SHONAN TAX OFFICE NO.201
 



 
平成18年6月1日
株主総会
 法人の2割は、3月決算の会社。株主総会は、決算日後3ヶ月以内に開かなければならないため、大会社では今月(6月)の特定日に集中開催される場合が多いようです。今年の一部上場会社の総会集中日は6月29日で、5割を超える会社がこの日に集中します(5月27日産経新聞)
 総会日が集中する理由は、総会屋の介入を防ぎ穏便に株主総会を乗り切りたいと考える会社が多いことからでしょう。でも最近では、若干分散傾向が見られます。また、個人株主にも参加してもらおうと、まだ僅かですが土日開催あるいは週末に株主総会を開催する企業も年々増加しています。
 世間を騒がせたライブドアの株主総会の招集通知がきました。上場廃止の前に買っておいた100株株主(1株80円ぐらい)のところにも通知が来ました。お疲れ様。
 ライブドアの通常の決算期は、9月末ですが、臨時株主総会を開催するとのこと。開催日は、6月14日(水)、千葉の幕張メッセで開かれます。
 議案は、定款変更と役員の選任に関する件など。
 定款変更は、会社法施行による通常の変更ですが、問題は、会計監査人の責任限定規定。従来の横浜の港陽監査法人の後の選任が手間取っているようです。あまりやりたがらないからかもしれませんが、責任限定契約はカネボウ事件もあり、当初議案に載せていた会社も削除傾向にあるところからすれば、流れに逆行か。そうしないと会計監査人になる監査法人がないと言うことなのでしょうか。
 3名の取締役が全員辞任し、新取締役は6名。選任される役員のおもしろいところは、USENの宇野社長以外だれもライブドアの株を持っていないところ。新任の平松庚三現執行役員社長もゼロ。 
 監査役に警視庁のOBが就任。手心を加えてもらいたいという意味でもないでしょうが。なお監査役の報酬も年2千万円以内から5千万円以内に改訂されるのですって。
 

6月の税務・総務予定
(税務)
*所得税予定納税の納税通知          15日まで
*個人住民税の納付(第1期分)         条例で定める日

(総務他)
*給与計算 住民税額の変更

 
【申告件数】
 国税庁は、先月、平成17年分の確定申告の申告件数等を発表しました(http://www.nta.go.jp/category/press/press.htm)。簡略化してご紹介します。
1.所得税関係
 所得税の確定申告は、過去最高の2,300万人。課税ベールが広がったと言うことでそれ自体悪いことではありませんが。
 このうち税額があった申告者の数は、830万人。所得金額は、44兆円。納税額は、2.7兆円。所得税の税収は全部で15兆円ぐらいですから、全体のうちの2
割が確定申告によることになります。

 
申告者数 万人 所得金額 兆円  納税額 兆円
営業等所得者  180 7  0.5
農業所得者   14  0.4  0.02
その他所得者  630 36 21
 農業所得者は、すべての項目で減少しています。この中でその他所得者である年金課税者が10%以上増加し、老年者控除の廃止や公的年金控除の引き下げが影響して増加しています。高齢の方の申告は、もっときちんと考えるべきです。
 また、譲渡所得の申告者数は140万人、所得金額は6.7兆円で、このうち株式等の譲渡所得者は90万人、所得金額は3兆円です。昨年は株式市況が好調だったと言うことでしょう。
2.個人消費税関係
とにかく、増えました。これは消費税法の改正により事業者免税点が3千万円から1千万円に引き下げられたことが大きく影響しています。
    17年分 16年分
申告件数  160万件  40万件
税額  5千億円  2千億円
(注)申告件数、税額は納税申告、還付申告を加算したもの。税額には地方消費税は含まれていない。
 結局、4倍近く申告件数が増えたことになります。
3.贈与税関係
 16年分とそれほど変わりません。申告者は約40万人、納税額は1千億円で、一人あたりの納税額は40万円程度です。
 
【質疑応答事例】
 国税庁では、質疑応答事例をホームページで公開しています。以前は庁内部の研修資料等に使われていたものですが情報公開の開示請求により、一般にでまわったため、最近では公開するようになりました。経理担当の皆さんにも役に立ちます。今回は源泉税関係を紹介します(http://www.nta.go.jp/category/tutatu/shitsugi/gensen/01.htm)。
☆ タクシー代等
Q A社では、次の場合、それぞれタクシー代やガソリン代を支給していますが、これらは給与等として課税する必要がありますか。
(1)  緊急業務のために出勤する従業員に支給するタクシー代
(2)  交通機関のストライキの際に自動車により出勤した従業員に支給する実費相当額のガソリン
A 課税する必要はありません。
(1) について
緊急業務が発生した時に出勤を命じ、それにより支給するものであれば、その費用は、使用者たる会社が負担すべき業務遂行上の費用であり、また、その給付は従業員の役務提供に対する対価という性格に欠けるか若しくはその性格が希薄であり又は費用弁償の性格をも有すると考えられますから、従業員の給与所得とすることは相当ではなく、従業員のタクシー会社への支払は、会社の負担すべき費用の立替払と認められ、会社の従業員への支払は、その立替金の精算と認められます。
(2) について
交通機関のストライキの場合には、交通機関を利用して出勤することができないわけですから、自動車による出勤のためのガソリン代の実費相当額を会社が負担したとしても、(1)と同様、それは会社の業務遂行のための費用負担とみられます。
(注)  この場合、緊急の業務の内容は請求書などに記入しておくなどの措置が講じられ、明確にされていることが必要です。
☆ 人間ドック費用の負担
Q A社では、社内規程を設け、役員及び使用人の健康管理の目的で、全員について春秋2回定期的に健康診断を実施しているほか、成人病の予防のため年齢35歳以上の希望者のすべてについて2日間の人間ドックによる検診を実施しています。この検診は、会社と契約した特定の専門医療機関においてベッド数が確保できる範囲内で順次実施し、その検診料を会社で負担することとしていますが、この人間ドックによる検診を受けた人に対して、給与等として課税すべきですか。
A 給与等として課税する必要はありません。
 役員や特定の地位にある人だけを対象としてその費用を負担するような場合には課税の問題が生じますが、役員又は使用人の健康管理の必要から、雇用主に対し、一般的に実施されている人間ドック程度の健康診断の実施が義務付けられていることなどから、一定年齢以上の希望者はすべて検診を受けることができ、かつ、検診を受けた者のすべてを対象としてその費用を負担する場合には、給与等として課税しません。 常識的な判断が合っているものです。背広の支給は?常識的に判断したらどうですか。一般にも利用できるのであれば課税です。
SHONAN TAX OFFICE
(http://www.shonantax.com/)
 
P5コーナー
(株)P5では、経営計画策定、保険・不動産等の資産運用、相続対策業務、パソコンの購入及び指導、貴社のホームページの作成・ドメインの取得、計算書類の公告のお手伝いをしております。
急告
 会社法の施行、税制改正と大きく会計・税務の環境が変化しています。まだ届出書など公表されておりませんが、代表取締役など従業員役員以外の役員で賞与の支払をしようとされる会社は、最短6月期限となります。至急ご連絡下さい。今まで通り、無理して取締役に賞与を払わなくても良いという会社は、出来れば今まで通りでお願いします。馬鹿な話ですが、今後1年間の賞与の金額を決めたらもう動かせません。
 それから、納得できないのですが、役員給与(報酬)の昇級を決める場合に、期首に遡る差額一括支給も止めてください。不明な点は、ご質問下さい。
【法務部START】
 大会社では、法務部があってコンプライアンスの充実を図っています。弊所でも、弁護士、司法書士及び社会保険労務士など各種士業の先生方と連携をとり、皆様のお役に立てる体制をとっております。また、事務所も先月行政書士登録を行い、より一層、対応出来る体制を構築いたしました。
 最近こんな事例が。
 おかしな葉書が舞い込んだとのこと。「最終通告」、「料金未納分訴訟最終通達書」や「民事訴訟最終通告書」など、真しやかな文書が送られてきています。“無視”がなにより。どうしても不明な場合には、ご連絡下さい。
 皆様は、無料のインターネット電話をご存じですか。“タダより高いものはない”と思われるかも知れませんが、設定が簡単で(こちらは苦労しましたが)、音質も良くなっています。現時点では損はしないはずです。通話は、相手を確かめて出来ますので、不明な人には通話する必要がありません。
省略

 編集後記  
  3月決算も終わり一段落。6月はノンビリしよう。さて、中江が書いた『法人税法講座』の改訂版が出来上がりました。18年税制改正、会社法にも対応しております。書店でも購入できますので、一度ご覧下さい。まもなく梅雨入り、お身体にお気を付け下さい。
 編集発行 株式会社プランニングファイブ