P5 NEWS
      
SHONAN TAX OFFICE NO.194
 



 
平成17年11月1日
死後認知
 
 予想通り、自民党が大勝し、亀井静香派同盟軍の民主党が大敗して幕を閉じました。ここ、神奈川県では、何を血迷ったか参議院議員が、この衆院選に打って出て、何の価値もなく消え去りました。結果として20億円を超える選挙資金を使って、参議院の補欠選挙が意味もなく行われたのは1〜2週間前の遠い昔のことです。
 
 相続実務では、亡くなられた方の死亡後に認知を認めろとして訴えが提起されることがあります。これは、死亡後3年以内でなければなりませんが、実際には死亡後認知されると、相続人が増えるわけですから、遺産分割や相続税の申告にも影響してしまいます。
 なお、死後認知裁判により相続人となった者も、相続財産の評価の時点は相続開始時です(平成15年3月25日裁決)
 ここに興味深い判決があります。
 西日本に住む40代の女性が夫の死後、凍結保存していた精子による体外受精で男児を出産したとして、男児を夫の子として認知するよう求めた訴訟の控訴審判決が2004年7月16日、高松高裁でありました。高裁は、請求を棄却した一審判決を取り消し、死亡した男性の子であると認知する逆転判決を言い渡しました。
 裁判所が、人工受精の方法による懐胎の場合の認知が認められる要件としては、@認知を認めることを不相当とする特段の事情が存しないこと、A子と事実上の父との間に自然血縁的な親子関係が存在すること,B事実上の父がこの懐胎についての同意をしていること、です。
 なお、【凍結精子】とは、精液を保存液と混ぜ、零下196度の液体窒素の中で凍結、保存します。技術的には、半永久的に保存できるそうです。
 不謹慎な話ですが、代襲相続を利用する究極の相続税対策かな?なお、認知請求は死後3年以内に起こさなければなりませんので、時間との勝負。でもこの様な事例が、多くなれば実務では混乱してしまいます。
 
 

11月の税務・総務予定
(税務)
*所得税予定納税額の減額承認申請            15日
*所得税予定納税第二期分納付
 月末
*個人事業税第二期分の納付  月末
(総務他)
*労働保険の納付(第三期分) 月末*年賀はがきの準備

 
 今月は、最近相談の多い増資・減資の話を書こうかなと思っていましたが、書く段になって、デモ面白くないだろうなと思ったりしてなかなかスタートできません。でも、いいや。とにかく書き始めることにします。興味のない人は「残念」・・・
 来年5月の予定ですが、会社法が施行されますと色々なことが出来そうです。
税務上の対応もまだ出ていませんが、今まで以上に会社の増資、減資は使え
るのではと思っています。
Q.何故、増資をするのですか。メリット・デメリットは?
A.一番の目的は、会社の資金を増やすためです。資金が増えれば、新たな開発・開拓に回せるでしょうし、営業資金も潤沢になります。また、従業員に出資して貰うことによって企業経営に参画するなど目的意識を共有することが出来ます。ただし、ネックは法人住民税の均等割のアップです。
 従業員50人以下の会社の均等割(赤字でも課税される税)です。(単位円)
 資本金   法人県民税 法人市民税 合計
1千万円以下  20,000   50,000  70,000
 1億円以下  50,000   130,000  180,000
 交際費課税は、現在資本金1億円以下
は同じですので、問題ないでしょう。
Q.増資の場合の税務上どこに気をつければいいですか。
A.まず、無償増資か有償増資かで異なります。
 無償で増資できるのかと思われるかも知れませんが、過去の利益の蓄積など配当に回すことの出来る金額を資本金に振り替えるのが、無償増資です。たしかに配当と同じで配当課税されるのかと思うかも知れませんし、事実以前は課税されていました。でも資本に繰り入れただけで、新株を発行しているわけでもないのに何故配当課税されるのかとの批判もあり、平成13年の改正以降は(みなし)配当課税は行われません。
 有償増資ですが、増資前の持株比率に応じて増資するのであれば、株主間の持分比率は変わりませんので、基本的には問題はありません。問題は、増資に応じない株主いる場合や第三者が増資に応じるような場合に問題となります。その時は、時価で発行しなければならず、当初の発行価額のように時価より有利な発行価額で増資をしますと、株主間で利益の移転がおこります。すなわち、利益を与えた部分が得た人の一時所得になったり、贈与税の課税がおきてしまいます。このため、実務では、できるだけ株主間の持株比率が変わらないように前もって準備をして
おきます。
Q.減資はどのような場合にするのでしょうか。
A.減資というのは、どうもイメージが悪いのですが、欠損の補てんのためとか、法人住民税の均等割を減少させるため、あるいは相続対策であったりします。来年新会社法が施行されれば
結構使えるのではないでしょうか。
Q.減資の税務を教えてください。
A.これが大事です。この場合も無償減資と有償減資があります。
 無償減資の場合、会社には、会計上の仕訳と税務上の調整を行いますが、基本的には何も変わらず、税務上の繰越欠損金が減ることもありません。
 株主サイドでも、帳簿価額の付け替えとかあるかも知れませんが、基本的には、課税関係は発生しません。ただし、無償で株数を減らすようなときに倒産回避のための債権支援などの理由もなく、ただ無償で減資したとしますと、株主が会社に対する贈与(寄附金課税など)の問題が生じることがあります。この場合には、会社の方にも受贈益課税がおきます。
 有償減資の場合ですが、実務ではあまり使われません。やむを得ず有償減資をしようとするのであれば、減少する資本金額と払戻金額を同じにした方がベターです。そうしないと減資差損益の問題が生じてしまいます。少し難しくなりますから省略します。出来れば資本金のみ減少させるのではなく、発行済み株式数を減少させるような方法によるのが良いと思います。その方が分かり易いですし、みなし配当課税がおきないように対応することができ
ます。
Q.数年前に債務超過に転落して以来銀行からの融資も困難になっています何か方法はありませんか。
A.会社が今後存続可能かどうかの判定がまず一番でしょうが、債務超過を解消する方法としては、いったん100%減資を行い、同時に増資を行います。
 100%減資は、債務超過の解消方法として大会社などでよく用いられ、減資した後に直ちに増資を行う方法です。この100%減資は、会社更生法や民事再生法を適用していない会社であっても、商法の規定に基づき行うことが可能です。具体的には100%無償減資を行い、減少した資本金で欠損を補てんし、同時に、新たな増資資金を受け入れることにより、会社の財務体質が強化されます。
 
省略
 
SHONAN TAX OFFICE
P5コーナー
(株)P5では、経営計画策定、保険・不動産等の資産運用、相続対策業務、パソコンの購入及び指導、貴社のホームページの作成・ドメインの取得、計算書類の公告のお手伝いをしております。
年末調整
 年末調整の書類が、間もなく入手します。必要な枚数をお送りいたしますので、ご請求下さい。
 なお年末調整で注意していただきたいのは、扶養親族です。これには、一般の扶養親族特定扶養親族、老人扶養親族などがあり、その年の12月31日の現況により、判定されます。間違えやすいところですので、扶養控除等申告書で確認してください。なお、途中で扶養親族の数などに変更がある場合は、速やかに扶養控除等申告書で異動申告をすることが定められています。
 年末調整にも影響しますので、17年分の改正について整理しておきます。
@ 社会保険料控除
 国民年金保険料に係る社会保険料控除の適用を受ける場合には、国民年金保険料等の支払をした旨を証する書類が必要です。
A 老年者控除の廃止
 老年者控除について、平成16年分をもって廃止されました。
 
 確定申告時に改正された事項は、
@住宅借入金等の特別控除
 適用対象となる中古住宅の範囲に、地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅が加えられました。
 この改正は、平成17年4月1日以後に中古住宅の取得をし、自己の居住の用に供する場合について適用されます。
A公的年金等控除の改正
 公的年金等の収入金額から控除される公的年金等控除額のうち、年齢65歳以上の者に対して上乗せして適用され
る部分が廃止されました。
省略

 編集後記  
 赤く色づいた紅葉を求めて賑わう秋の観光シーズンが終わると、もう冬の準備が始まります。今年も事務所では、インフルエンザの予防注射も終え、年末から翌年の年調・確申期に向けて準備が開始されます。
  編集発行 株式会社プランニングファイブ p5@p-five.com