P5 NEWS      SHONAN TAX OFFICE NO.152
 



 
平成14年5月1日
電子政府
 
 今、政府は、高度に情報化した行政を目指す電子政府(Electronic Gove-rnment)に向けた取り組みを行っています。このe-gov.とは、デジタル技術を活用して各種の行政サービスの電子化を図ることによって、効率的な行政を目指すというモノです。
 例えば、自宅やオフィスからインターネットを利用して、全ての行政情報の閲覧、申請・届出等の手続を24時間可能にしようというものです。なーんだと思われるかも知れませんが、これが稼働すれば画期的なことです。
 しかし旨くいくかどうかは、行政トップの時代感覚に左右されそうです。天下りのポスト用に設立された特別法人などでは、今までと変わっていませんので、期待できそうにありません。
 民事法務協会では、登記情報提供サービスとして、商業・不動産登記簿謄本のネット公開を最近始めました。しかし残念ながら平日の昼間の時間に限られ、プリントアウトも特殊。もちろん、システムは構築業者によって大きく左右されます。特にソフトの世界では大所帯の業者が扱うと、出来上がったときはもはや時代遅れということも多々あるようです。その影響もあるかも知れませんが、最終的にはトップの能力にかかっています。
 なお、電子政府の進展度を測るランク付けでは、わが国は先進国中下位の17位でした。1位は、2年連続で、
the world's most citizen-connected governmentを目指すカナダ。
以下、シンガポール、米国、オーストラリア、デンマーク、英国、フィンランド、香港(中国)、ドイツ、アイルランドと続きます。ちなみにこの調査は、2002年の1月に行われた(http://www.accenture.com/)もので、日本を含む23カ国で政府との間のオンライン業務サービスの成熟度を評価したものです。
 経済の低迷なときこそ電子情報の「出遅れ組(Slow Starter)」を返上する最高のチャンスなのですが・・・
 

5月の税務・総務予定
(税務)
*自動車税の納付
*固定資産税第1期分の納付
*個人住民税特別徴収税額通知

(総務他)
*労働保険料の申告納付 20日

 
 近隣では、藤沢市が、誰でも自由に参加できるインターネット上のコミュニティスペース「市民電子会議室」を設けています。市民の交流だけでなく、議論の結果を市政への提言としてフィードバックできる仕組みになっているとのこと。数少ない成功例だそうです。結果は、もう少し先にならないと分からないとはお思いますが、取り組みの積極性は評価できます。
 ただしe-gov.の問題は別の側面もあります。1954年から開始された行政の電算化は、ここ数年の技術革新によって情報の電子化、ネットワーク化など飛躍的な進展が図られました。これはまた、行政手続、情報公開、個人情報保護等の問題を生じさせます。今、国会では、個人情報保護法案が審議されていますが、情報の有効利用と個人情報保護の要請の調和をどのように図るかは重要な問題です。これも併せてクリアーすることを目の前に突きつけられています。
 
【税務Q&A】
 最近では、外国人労働者がいる職場も珍しいことではなくなってきました。しかし適正に納税していない外国人も決して少なく無いのではないでしょうか。理由はいろいろあるでしょうが、行政サイドのサポートの問題。またサポートすべき我々税理士がそれらに対応しているかなど、まだ十分とは言えないのではないかと思っております。
 
 今回から、外国人、外国勤務あるいは外国法人についての税務を取り上げてみたいと思っています。インターナショナル!?な事務所を目指して・・・
 
Q1 ドイツ人の友人が、今年*月に帰国することになりました。今まで住んでいたマンションを賃貸したいと言っています。どのように申告したらいいでしょうか。
A1 この方は、我が国に住所がなくなりますので“非居住者”になりますが、国内にある不動産の貸し付けによる不動産所得は申告しなければなりません(国内源泉所得といいます)。この場合に青色申告ができるかどうかが問題になりますが、設問の場合も青色申告の規定が適用されますので青色申告の申請を出され、あなた(法人でもかまいません)が納税管理人になって申告されるようにお勧めします。
 
Q2 我が社では、英国在住の大学教授に日本語の英訳を依頼して報酬を支払っています。なお翻訳文は買い取りとなり、それを出版しています。この場合にはどのように処理したらいいでしょうか。
A2 著作権等の譲渡は国内源泉所得に該当します(所得税法161七ロ)。貴社はその支払の際に通常20%の所得税を源泉徴収して支払うことになります。そして預かった源泉徴収税額は、翌月の10日までに納付して下さい(同法212、213)。ただし英国とは日英租税条約が締結されていますので、要件に該当すれば源泉徴収税額は10%になります(同条約13)。
 
Q3 フランス人のGさんは、今年4月から日本の子会社の代表取締役として2年任期で赴任してきました。Gさんは6ヶ月の入国ビザで入国し、その後社宅に入居しました。いつから居住者になりますか?
A3 居住者になるのかそうでないかによって日本での課税が異なります。居住者となりますと、Gさんは国外・国内を問わずすべての所得を合算して課税されます。逆に居住者とならなければ日本国内の所得のみの課税ですむことになりますので、天と地ほども違いがでます。
 居住者とは、国内に住所を有し、また引き続き1年以上居所を有する人とされています。居住者も、永住するかどうかでまた分類されますが、ここでは省きます。
 Gさんの場合は、結論から言いますと、入国したときから国内外の所得を問わず我が国で課税されます。
 我が国で就業するために住まいを得た場合には、当初から1年未満の契約等がある場合を除いて国内に住所を有すると推定されますし、ビザが6ヶ月であっても任期が2年ですのでそれからみても居住者となります。
 ちなみに、「住所」とは、その人の生活の本拠をいい、「居所」とは、生活の本拠ではないですが一定期間継続して現実に居住する場所を言います。
 
Q4 在日米軍勤務の夫と共に日本に住んでいる米国人の女性に英語学校の講師として講師料を支払うことになりました。課税の方法を教えて下さい。
A4 報酬を支払うときに20%の源泉を控除して下さい。
 米国軍族とその家族が、国内に滞在する期間は、日米地位協定により非居住者に該当することになり、20%の源泉分離課税で課税は完結します。このため、通常では確定申告をすれば報酬にかかる税額が還付される場合であっても、残念ながら受けられません。
  SHONAN TAX OFFICE
     税理士 中江 博行
     税理士 大野千寿子
     スタッフ一同


          Corner 
 
労働保険料の申告
    (株)P5では、経営計画策定、保険・不動産等の
     資産運用、相続対策業務を行っております。
 事業主の方は5月20日までに「労働保険概算確定保険料申告」(いわゆる「年度更新」といいます)を行わなければなりません。
 労働保険とは、労災保険と雇用保険を総称したものです。そして、この「年度更新」とは、今年の4月から来年の3月までの労働保険の概算保険料などを計算して申告・納付するものです。
 実際は、前年度(13年4月〜14年3月)の対象者の賃金総額を出して前年度の概算で算出した保険料との差額を計算し、今年度は通常昨年の確定賃金額を基に概算保険料とすることになります。
 例えば、13年度の概算の賃金総額が1,000万円で、実際に支払った賃金総額は1,100万だったとし、保険料率は両年度とも2%だとします。
 昨年度は概算保険料として、1,000万円×2%=20万円を払いました。
今回の申告では、
 @13年度概算保険料分の精算
  (1,100万円-1,000万円)×2%
      =2万円(不足分)
 A14年度概算保険料
   1,100万×2%=22万円
 @+A=2+22万円=24万円を
今年度申告納付します。このように納付額が出るときは、金融機関に申告書を持って行き納付すれば終了です。前年分の充当が多く過納となる場合には、納付書を切り離して、申告書だけを所轄の労働基準監督署に送付して下さい。又この場合には、労働保険料還付請求書の提出も同時にしてください。
1、今月のパソコン教室は、
省略 

 編集後記
 長〜いゴールデンウィークが終わりますと、連休ぼけから早く立ち直って仕事に専念しなければ・・・。今月もよろしくお願いします。
 編集発行 株式会社プランニングファイブ