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平成13年8月1日

情報公開法

 4月から「情報公開法」(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)が施行されました。今までの「よらしむべし。知らしむべからず。」という国家の官僚組織の体質がこの情報公開法によって少し風通しが良くなるのかも。

 施行後、機密費問題で揺れる外務省への情報開示請求が殺到したようですが、施行前に書類を廃棄したという報道もあり、真偽のほどは判りませんが、公開率は余り良くないそうです。

 情報公開法の目的は、当たり前なことですが、憲法前文にいう国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利について定めることによって、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、行政の国民に対する説明義務を果たすためです。そして、従来は入手できなかった多くの情報が、開示を請求すれば公開されることとなり、行政に対して国民は的確な理解ができ(それ程ではないかも知れませんが・・)、批判が可能となります。結果として公正で民主的な行政となるのだとしています。

 また、今まで守秘義務でがんじがらめになっていた国税に対してもこの情報公開を求めることができるようになり、内部通達など公平で適正な課税の実現のために利用できることになりました。大分古い話ですが、昔、徴税虎の巻事件(最高判52.12.19)というのがありました。いわゆる税務署で作成した所得の標準率で、通常、このぐらいの収入を得ているものならこのぐらいな所得だろうと言うもので、ある税務職員がこれを持ち出したた事件で、裁判所は、国民はこれを見る権利はないとしたものです。今なら国民が知ることができないようなもので課税してはまずいでしょうと言うことになるかも知れません。

 この法律の副産物か、税務行政に於いては、施行を待たず色々な情報が公表されてきました。

 

8月の税務・総務予定
(税務)
*個人事業税の納付       通常31日
*個人住民税(第2期分)の納付 通常31日
*特別土地保有税の申告納付     31日
(総務他)
*夏期休暇の実施 

 公開される税務行政文書は、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書であって、それが組織的に用いるものとしています。

 もちろん公開しないとしたものもあります。公開されない文書が余り多ければ情報公開も意味をなさなくなってしまいますが・・

 公開されないものとしては、官報など販売されている文書のほか、特定の公文書館などで特別の管理が行われているもの(情報公開法2条)や、公にすることにより、特定の個人を識別できる情報、法人等の利益を害するおそれがある情報、国の安全が害されるおそれがある情報、犯罪捜査に支障を及ぼすおそれがある情報や国や自治体の事務に支障を及ぼす可能性のあるもの(同法5条)とされています。

 一方、本人が自分の個人情報の公開を請求できるか、という疑問がありますが、国税庁の審査基準では、「本法の開示請求制度は、何人に対しても、請求の目的の如何を問わず請求を認めていることから、本人から、本人に関する情報の開示請求があった場合でも、特定の個人が識別される情報であれば、不開示となり得る。」とされ開示されないとしています。個人情報保護に抵触するわけではないのでなんだかおかしな話です。自分の情報については、申告に必要があるとしてこの開示請求によらないで入手できることもあるかも知れませんが、法的な強制力のない状態より、この法律で開示できる方が良いのではないかと思います。

 直接、納税者の適正な申告に役立つというものではありませんが、開示請求された面白い文書をここで紹介します。

 「現況調査における留意事項等について(指示)」平12.7.18で、東京国税局長から税務署長宛に配布された資料です。

 早い話は、税務職員が納税者宅に調査に行く場合の心得みたいなものです。 税務署上司の心得、一般職員の心得に実際の調査時の注意点という3部からなっています。
 全部を紹介することができませんので、ここでは、現況調査心得7カ条なるものから・・・

【第1条 臨場したら、まず本人の承諾を得る】

・無予告で臨場した場合、調査対象に対し、「税務調査」である旨を伝え、調査に対する協力と承諾を得る。
・調査対象者が不在の場合には、電話等により連絡し、調査に対する協力と承諾を得る。

【第2条 毅然たる態度で、応対丁寧に】 
・税務調査は、公務の執行であるので、毅然とした態度で粛々と実施するが、身なり、言動等に注意し、調査対象者等に対して丁寧な応対に心掛けるとともに、過大な緊張感や、不安感、不信感を与えないように配慮する。
・電話、コピー等を使用する場合、必ず了解を得る。

【第3条 現況は、相手が開けて出すのが基本】
・現物確認を実施する場合には、調査対象者に対し、支店・事業所等を含め、現物確認についての承諾を得る。
・現物確認の実施に当たっては、調査対象者等の立合いを求める。
・金庫、机の引出し、バッグ、カバン等の中の書類等を確認する必要がある場合には、相手に開けてもらい、書類等を出してもらって確認することを基本とし、相手の承諾なしに直接手を触れたりしてはならない。

【第4条 居室などプライバシーは尊重する】
・調査対象者等の居室、女性のハンドバッグ、ロッカー等の中の書類等を確認する必要がある場合には、特に念押しするなどし、明確な承諾を必ず得て実施する。

【第5条 絶対に、現金等には手を触 れない】
・現金、貴金属などを確認する場合、相手に確認してもらい、自らは絶対に手を触れないようにする。

【第6条 書類等の借用・返却は確実に】
・書類等の借用は、やむを得ない場合など、必要最小限にするが、やむを得ず借用する場合には、1件別に具体的な内容を示した預り証を作成し、調査対象者等に借用書類等を確実に確認してもらうとともに、返却する場合にも、返却書類等を確実に確認してもらう。
・借用書類等については、特に慎重に保管する。
・手形、小切手は借用しない。
・調査先の書類等に直接メモ等を書き込んだり、折ったりしない。

【第7条 終わったら、整理・整頓忘れずに】
・調査終了後は、テーブル等を整理して現場を後にすることとし、調査対象者等に事後の不快感が残らないように留意する。
・調査関係書類等の置き忘れをしない。
     〜〜てな具合です!!


   Corner
 

 路線価 9年連続ダウン

   (株)P5では、経営計画策定、保険・不動産等の資産運用業務を行っております。

 平成13年分の路線価が去る8月3日、全国の国税局と税務署で公表されました。

 路線価とは、主要道路に面した1u当たりの土地の評価額で、相続税や贈与税の算出基準となるもの。国土交通省が1月1日を評価時点として毎年公表する「公示地価」の8割程度を目安に、実際の売買実例や不動産鑑定士の評価なども考慮して国税庁が算出するものです。

 全国の標準宅地の平均路線価は13万7千円で前年に比べ6.2%下落しました。9年連続で下落したことになりましたが、下落率は、前年(7.0%)より若干縮小しています。

 都道府県庁所在地別の最高路線価は、16年連続で東京都の中央区銀座5丁目の銀座中央通り(「鳩居堂前」)の1,184万円で3年ぶりに上がりました。このほか、再開発が進む東京都港区・品川駅東口や、地下鉄が乗り入れた同区・麻布十番周辺などで路線価が上がったそうです。

 東京都内や名古屋、福岡市などの一部でわずかながら上昇に転じた一方、千葉、大阪、長崎の3府県では前年に引き続き2ケタの下落となり、2極化が鮮明になっています。

 神奈川県の最高は、横浜市西区南幸1丁目の横浜駅西口バスターミナル前通りで、386万円でしたが、前年比9.4%の下落となっています。その他の商業地も軒並み前年より下落をしていますが、最も下落率の大きなところは、大和市中心地で14.3%、その他小田原、平塚などの郊外都市部で、大きくなっています。

1、今月のパソコン教室は、

 省 略


 編集後記
 暑中お見舞い申し上げます。夏は暑いものと判ってはいても、この暑さ、もう少し何とかならないものかと思ってしまいます。事務所の旅行も、ご参加頂いた皆様のおかげで、無事楽しく過ごすことが出来ました。有り難うございました。まだまだ夏は続きます。ご自愛下さい。
 編集発行 株式会社プランニングファイブ